SMSL M300MarkIIを電池駆動するために、内部電源の調査と電圧による変動を確認してみました。
簡単に電源回路も追っかけてみます。コストを抑えつつ音質もそこそこの設計は素晴らしいと思います。ただ電源の電圧幅はぎりぎりの設計なので電源部は改造しようかと思っています。
AK4997EQは旭化成の少し前のフラッグシップDAC-ICですが、すでに廃品種?でリリースがなさそうです。AK4999も新バージョンへ移行です。
新フラグシップ DAC AK4499EX をHIGH END® munich2022 で初披露 旭化成Newより
すでにAmazonでも販売が滞っています・・・(2.5万程で購入しています)
主電源とアナログ電源部の概略
5V/1Aアダプターを電源としていますが、実際測定すると5.6Vありました。パネル制御部はACアダプター直でPmosFETにてON-OFFしています。
その後、5.6Vのツェナーで電圧を制限していますが、1200mAのツェナーのため、6Vとかいれると手で触れないくらい発熱します。故障した時にはPmosFETとツェナーが飛んでいました。
AK4997EQには2個のローノイズ電源が入っています。贅沢ですけどチャンネルセパレーションを取っているのかもしれません。しかしここに入っている電解コンデンサーが通常品だったので、積層セラミックアレイに交換しました。
確認写真
上下2段の基板になっており、下側がリモコン制御やXmos・Bluetooth・電源などで、上側はAK4997EQ(DAC)とXLR・RCA出力とアナログ電源回路が主な機能になっています。
XLR回路の波形測定
電源の電圧/電流測定
PmosFETとツェナーーダイオードを外したところ
PmosFET取付後 下側3Pチップです。
電源の供給は真鍮のポストで基板に供給しています。この辺はなかなか面白い設計です。
5.6Vツェナーダイオードを取り付けたところ
5.6V以上かけると電流が急上昇して発熱します。6Vで触れないくらい熱くなります。
±12Vの制御部
パッケージの中でボンディングされているので、中身は分からず・・・
ほんのり発熱します。
後ろにあるのが、積層セラミックアレイ(2200μF) 5Vで使用しているのでスペックシート上では半分以下の容量になっています。旭化成のAK4997EQのデーターシート上では2200μFの電解コンデンサーでしたが、ここはローノイズ電源でデジタルノイズが主なので問題ないと考えています。
他のキットなども容量を調べたら、100μFなんてのもありましたし・・・
AK4497用のローノイズ電源
写真は片チャンネル・マーキングがないので詳細は不明
AK4497は思った以上に発熱します。50℃くらいはありそうです。
電源電圧変動試験
相当昔に購入したスイッチングレギュレータータイプの電源で試験します。
ノイズレベルは10mVですので、ACアダプターよりはましです。20年前の機種ですが今だ現役で頑張っています。PS20-18が該当機種です。当時は高かった・・・
今なら同レベルの電源が1万くらいで買えます。
18A流せるのは少ないのでなかなか切替できません・・・
DCジャック前でもう一つ電圧・電流の測定もします。DCの電流電圧計は、いつものUD24です。
フルセットで購入するのがお得です。
6V供給
前回飛ばしているので、6Vからスタートです。
0.7A流れています。内部のツェナーダイオードはちんちんで、触れないくらいの温度です。
音はメリハリが効く感じで、なかなか良いと思います。
5.5V
5.5Vだとツェナーは触れるくらいです。60℃くらいでしょうか?
100mAくらい減っていますが、この分はツェナーダイオードで消費していた感じです。
6Vよりメリハリが少し減ったかなという感じ
5.3V
5.5Vと変わらない感じです。
5.1V
こちらもあまり変わらず。
5.0V
こちらもあまり変わらず。
4.8V
メリハリが減ってきて少しのっぺりとした感じです。
4.6V
4.8Vと同じ感じ
4.5V
明らかに音がやせてきて、まずい感じがします・・・
4.4V
もう限界ですね。起動に失敗することがありました。
バランス出力の確認
綺麗に反転しています。
オシロは長年使ってきた秋月のPCオシロが限界なので、値段が1/10になったオシロを購入しました。しかし、遅い・プローブがだめ・ノイズレベルが高いの三重苦です。波形観測程度ににしか使えません。
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電圧まとめ
やはり電源電圧に対しては、非常にシビアで、運用できるレベルだと5Vー6Vまでが限界のようです。がんばって4.5V-6Vくらいでしょうか?
これだと電池駆動は難しいです。
素直にストロベリーリナックスさんの「LT3045-1 超ローノイズ・正電圧レギュレータモジュール 」を2並列で動かすのが良さげですが、DACの筐体が小さいので発熱が気になりますね。
下側の基板はべたグランドでスペースがあり、ここにシリコンシートで放熱できれば何とかなりそうです。
電池駆動するなら、昇圧型の「LTC3111 昇降圧DC-DCコンバータモジュール(2.5V~15V出力)」を組み合わせて使うとよさそうですが、ここまでして電池駆動の意味があるのか疑問になってしまいました・・・
今後の予定
1.出力オペアンプの昇圧型DC-DCコンバーターのノイズ対策
・±12V出力側のチップアルミ電解コンデンサーを薄膜高分子積層コンデンサーと積層セラミックの合わせ技で対応(幅6mmくらいなので5750がピッタリです)
・昇圧コンバーターの静電シールド
・コイルの静電シールド
2.LT3045-1 超ローノイズ・正電圧レギュレータモジュールへの置き換え検討(発熱対策)
・基板のパターンカット必須なのでちょっと躊躇気味(見た目が元に戻せないので)
3.AK4997EQのLPF回路が入っているので、外して実験
4.AK4497周りのデカップリングコンデンサーの見直し
5.実験記事を早めに記事にする!
実験などは楽しいのでどんどん行っているのですが、記事にするのが全く追いついていません・・・(すでに書きかけが15件も・・・)
Webは実験記録として書いているのもあるので、書かないとわかんなくなるのですが・・・
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