TPA3245への換装が上手くいきましたので、2号機の入力側CRを交換していきます。コンデンサはFaithful Link社のフィルムコンデンサの1.5uF・抵抗はRG1608を使います。カップリングのコンデンサは10uFから1.5uFに変更します。低域は落ちますがツィーター用なので逆に過大入力が入りにくいので好都合です。
検討
カップリングコンデンサ
1号機でカップリング用の10uFの電解コンデンサをPMLCAPに交換したのですが、今一しっくりこないので、出力側のLPFで使って好印象だったFaithful Link社のフィルムコンデンサの最大容量1.5uF/100Vを使います。
http://www.faithfullink-ind.com
抵抗
オーディオ信号に関係する所の抵抗はRG1608PD-KITを使います。RG1608Nより精度と温度係数は落ちますが、前回聴き比べてもわからない程度の差でした。
実はRG1608Nのキットが入手困難で手に入りませんでした・・・(2022/8で・・・2023でもいまだ入手困難・・・)
前回同様、オペアンプのゲインを0dBにするため、20kΩの抵抗を10kΩに変更
入力側の47kΩ×2・1kΩ×2も交換
作業
取外しは背の高い部品から、取付は背の低い部品から行います。
フラックスは必ず塗るようにしてください。フラックスを塗らないと熱が均一に伝わらない・ハンダの酸化で芋ハンダになりやすくクラックしやすくなります。
フラックスがないと局部的に熱が伝わり、部品や基板にダメージを与えやすいので注意します。
熱が加わった時にこのくらい流れるとダメージが少ない。
電解コンデンサ取り外し
電動ハンダ吸取り器で行いました。手動だと結構大変です。
手動の場合は、コンデンサは再利用しない前提で1箇所づつハンダを溶かして、引き抜く方向に寝かせて取るのが良いかと思います。
ICソケット取り外し
ホットガンのDIP8用を使いました。330℃設定で後ろから温めて、ピンセットなどで引き抜きます。
十分にハンダが溶けていないとパターンが剥離しますので注意
抵抗取外し
抵抗はホットガンで取ると楽ですが、今回は半田ごて2本で取ります。同時に両側を温めつまんで取ります。
パターンの掃除
部品を取り外したら、ハンダ吸取り線で綺麗にハンダを除去し、その後、IPAとキムワイプでフラックスを除去します。
理由は
・パターンのハンダゴミやパターンショートなどを見つけることが容易
・綺麗にハンダが除去されているか確認できる。
抵抗取付
まずは抵抗を取り付け場所にフラックスを塗ります。
私は抵抗が混在すると確認が厳しい・・・ので、1種類ごとに取り付けます。
ピンセットで大体の位置にフラックスの粘度を利用して置いていきます。
片側だけ少量のハンダをパターンに先に付けておき、ピンセットで滑らせながら片側のみをハンダ付けします。その時ズレたのを修正するのが一番大変です。手はんだだと30個弱で30分ほどかかりました。
下の写真だとハンダが多すぎるので、修正後にハンダ吸取り線で適量まで吸取ります。
出来れば抵抗の表記の向きを合わせると美しい。
抵抗を付け終わったら表面実装部品は終わりなので、盛りすぎたハンダを除去し、フラックスを除去したらルーペで抵抗の浮き・ハンダ不良などを目視でチェックしていきます。
量産ラインでも画像認識で位置は見てますが、ハンダ部分のチェックは目視です。
ICソケット取付
取付は簡単です。普通にハンダ付けするだけ
コンデンサ取付
こちらも簡単。普通にハンダ付けするだけですが、今回は足のピッチが合わないので入力側は曲げて取付・出力側の4個は放熱器と干渉するので90度曲げて取り付けました。
完成
一発で動きました。いつも通り電源のショート・初期電流の確認は行います。
ハンダ関連・必要機材
SMDチップやICなどをハンダ付けするのには、以下の機材があると大体のことができます。
ハンダごて・ホットガン
温度調整付きであれば、大きな問題はありません。400℃以上まで上がればOK
(ただし加熱しすぎるとICが壊れます)半田ごては先が細めの物が使いやすい。
私はAliexpressから購入しました。昔は全込みで6k以下だったのですが・・・
関連記事:リワークステーション(8786D) レビュー
アルミ粘着テープ
ホットガンの熱で他の部品が飛ばないように保護します。
日東のは安いですが固めで強粘着です。私はAliexpressで購入したテープを使っています。
ピンセット
先が細いピンセットで先曲がりが使いやすい。
細かい部品を使うのにはチタンピンセットがお勧め。ステンレスより腰が柔らかいので、はさんだチップが飛んでいきにくい&磁気を帯びないのでSMD部品がくっつかない。
前はAMazonでも高かったのですが、今はそこそこになりました。
ハンダ吸取り線
私はGootをよく使っています。
ハンダ
鉛フリーのハンダは使いにくいので、環境には悪いですが共晶ハンダを使っています。
0.8mmを使っていますが細かい部品などは0.3-0.5mmのほうが使いやすいです。
フラックス
ハンダごての熱を均一に伝えることと、ハンダの酸化を防ぐために必須です。細かい部品用には注射器タイプが便利
IPA(イソプロピルアルコール)
フラックスを除去するのに使用します。
普通のエタノールだと最高純度でも99.5%ですが99.9%ですので白い痕が残りませんし安いです。
放熱用グリース
放熱器とTPA3245との放熱用に使います。
キムワイプ
繊維ゴミが出にくいふき取り用のペーパーです。足が飛び出てるところをゴシゴシすると繊維が飛び散りますので、上から叩いて吸取る感じで使います。
あれば便利
ニードルボトル
IPAを入れて使います。先が細いのでIPAが余計なところに飛び散りません。
導電ブラシ
ハンダかすやごみを払うのに使っています。
ハンダ吸取り器
手動の物を使っていましたが、やはり温調で電動の物は便利です。中華製は今一のようなので日本製がお勧め、手入れが面倒ですが作業効率が全然違います。
ハンダ用耐熱マット
机にダメージを与えないように使用しています。面倒で導電マット上でハンダ付けして、波打っちゃいました・・・
拡大LEDライト
細かいピン間0.5mmの確認や、SMD部品の確認に使っています。
実体顕微鏡(Nikon SMZ-10)もあるのですが、重くて出し入れが面倒なのであまり使っていません・・・
広い作業スペースが欲しい!
視聴
交換してすぐにフルレンジで視聴しました。歪感がより減少して良い感じです。
低域がでないので、少し残念な感じになるかと思いましたが、この程度なら比較しないと気が付かないほどです。低域を少しブーストすればカバーできるので、現行のフルレンジ用も交換しようと思います。
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まとめ
今回使ったコンデンサはPMLCAPの半分以下の値段なのでお得です。
RG1608Nは秋月電子さんで取り扱いがあるのですが、種類が少ないので抵抗キットを買いました。
できれば秋月電子さんで揃えたい!
皆さんがリクエストすれば、多分揃えてくれるかと思っています。よろしくお願いします。
これで最小構成のマルチアンプシステムが組めます。
やはりデジタル部分はPC側で処理して、DACで分割し各アンプに送れば、現状でアナログ部分を通る信号経路が最小になるので、音質の変化が少ないと考えています。
又、ソフトチャンネルデバイダーで補正が好きなようにできますので、特性を変えることは容易です。
私的にはPCM24bit/192kHzまで対応しているこのソフトチャンネルデバイダで頑張ります。
(その分いじりすぎて悩むことが多いですが・・・)
最終の理想はPCにマルチDACがあって、パワードスピーカーだと思いますが、まだまだそこまでは行けません・・・
注意事項
改造行為はある程度以上の道具と熟練度が必要ですので、電気やハンダ付けの知識がない人にはお勧めできません。
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