20年以上たったTOTOのトイレの水漏れをDIYで修理をしました。 水の出が悪くなったのと、便器へのチョロチョロした水漏れです。まずはTOTOのHP等で色々調べてトイレの修理方法を確認しながら進めました。構造が単純なので理解したら修理は難しくはないです。
20年以上たっても部品が豊富に手に入るTOTOさんはエコで素晴らしいです。
水漏れ程度なら簡単な修理ですので、自分でやると安く済み家族からの株も上がること間違いなしです。
注意事項:ポストに投函されているチラシの水道修理業者の中には、悪質な業者も含まれています。
修理を依頼する場合は、チラシなどの業者に安易に電話連絡をしないで、まずは水道局などに問い合わせて業者の紹介を受けてください。
トイレの仕組み TOTOのHP参照
今回修理するのは右側の写真のトイレになります。まずはTOTOのHPから仕組みを理解します。
トイレの種類
内部構造のイメージは以下のようになります。
水が流れる仕組み
使用前のタンクには水が所定量たまっています。※ウォーターラインという目印から2~3cm下
レバーハンドルをまわすとレバーとつながったフロートバルブが持ち上がり、タンクの水が便器 に流れていきます。タンクの水が流れ終わるとフロートバルブは自重で閉まります。
タンクの水が少なくなると同時にボールタップの浮玉も下がり、ボールタップのバルブから給水が始まり、水位の上昇と同時にボールタップの浮玉も上がり、バルブが閉まることで給水が止まります。
最初の図の状態に戻ります。
確認開始
トイレの仕組みから考えて便器に水漏れするのは、①排水弁 ②ボールタップ ③オーバーフロー菅の順で可能性が高いと思い、タンク内部を確認していきます。
確認時に最低用意する材料
トイレの水回りをいじるときは、最低限のパッキンは用意しておきます。
トイレに連結されているパイプが13mmの場合は、以下のパッキンを用意しておきましょう。
TOTO 給水管13mm用パッキン
蓋を外す
蓋を持ち上げると、手洗い用の水のパイプがつながっていました。
根元のプラナットを手で回して外します。
蓋を開けた所
内部は水垢ですごいことになっていましたので、バスマジックリンで洗浄しました。
写真は洗浄後になります。
水の流れのチェック
まずは水道栓を閉めます。安全のために家の水道元栓を閉めます。
誤って床下のナットを緩めた場合でも、すぐに水漏れしないようにするため
トイレの水を流して水が補給されないのを確認してから、タンク横のナットを外します。
パイプの中の水が出てきますので、小さなバケツと多めの雑巾で水を吸い取ります。
タンクの横の大き目のナットの中にはストレーナーという網が入っています。水の流れが悪かったのはこのストレーナーの中に、ゴミが詰まっていた&ストレーナーの向きが逆向きだったからでした。
写真はありませんが、砂や虫!などが1cmくらい折り重なっていました・・・
2022/3/28追記
配管用品ではなくボールタップの内部部品でした。THY90678という部品です。見た目が変わっていますが大丈夫だと思います。
下記のほうが薄いので良いかもしれません。
ストレーナーの取り付け方 ガオナ(Gaona) これエエやん ボールタップ用フィルター参照
ストレーナーの取り付け方は出っ張り側が川上になります。家のストレーナーは逆に付いていたので中央にごみが溜まり流れにくくなっていたようです。
この絵を参考に取り付けられてよかったです。
水漏れ箇所を特定する
開けて動作を確認するとボールタップからの水漏れやオーバーフロー菅は大丈夫でした。排水弁が水漏れの原因と考えられます。
ボールタップのバルブも節水型というのが出ていたので交換しちゃいます。
ボールタップを外す TOTOHP参照
写真左側の金属の部品がボールタップです。20年ぶりの掃除になるので、外して内部洗浄します。
上の写真の黒いチューブを外して、タンク外側のナットを外せば簡単に取り外せます。
構造は単純で、ボールが下に下がるとピストンバルブが下がり水が出て、上がると水が止まる仕組みです。
水が出る管(ボールタップ)をおさえながら、タンクにつながっている管に付いた袋ナットとツバ付きナットをモンキーレンチでゆるめて外します。タンクとつながっている外側の管が外れたら、水が出る管(ボールタップ)をタンクの内側に引っ張ると引き抜けます。
取り外したらボールタップを洗浄し、中の消耗品を交換していきます。
ここでは新しい節水型のピストンバルブに交換します。
20年使ってきているので、ボールタップごと新しくするのも良いかと思います。
ボールタップの分解図・補修品リスト TOTO pdf 参照
この図とリストで細かい品番も検索できるので便利です。
ボールタップのバルブを交換する
ボールタップからピストンバルブを取り出し、新しいものに交換します。 ピストンバルブは蝶ねじ2本を左に回して外すと取り出せます。
※使途パッキンのみ交換する場合はシートパッキンの上下の向きに注意してください。 (径の大きい方をピストンバルブにはめ込みます。)
<THY584-1の場合> <THY584の場合>
交換したバルブを水の出る管(ボールタップ)に下から上へ差し込みます。
バルブがはまったのを確認してから、蝶ねじ2本をパイプに差し込み、ラジオペンチで右(時計まわり)にまわして締め、水の出る管(ボールタップ)にバルブをはめ込みます。
古いボールタップ内のバルブとの比較 左が新しいバルブ
タンクから部品を特定する TOTO-COM-ET参照
TOTOさんのHP等をいろいろさまよって、やっとタンク品番から、部品を見つかられるページを探しました。COM-ETというTOTOさんのサイトです。
ここで詳細な品番が判明したので、安心して購入できます。今回購入したのは以下の●印になります。
ボールタップ THYS6A ボールタップ全部を交換する場合に
●バルブ THY584-1 排水が漏れた時に
●フロートバルブ THY444-6R 排水が漏れた時に
レバーハンドル HH07146R レバーの戻りが悪い時に
密結パッキン TH91540E 排水がフロートバルブを交換しても漏れた時に
手洗い金具 TSY721BN 上の手洗い金具を交換するときに
●給水用パッキン THY91610 給水用の13mm径のパッキン
●フイルター THY90678 フイルター
水道のナットを外すための必要工具
水道用のナットは大きすぎて普通のスパナだと外せません。大き目のモンキーレンチとウオーターポンププライヤーを最低でも用意しましょう。
最低限のセット
安くて最低限のセットです。
水回りのナットの場合、硬くて取れない時があります。持ち手の長さが短い物は力が入りにくいのでお手上げになる可能性があります。力持ちの人は多分大丈夫です。
大き目のモンキーレンチ
開口30mm以上の大き目で、柄が長いモンキーを用意しましょう。柄が長いとてこの原理で力が入りやすいです。普通サイズだと入らない可能性が高いです。
評判の高いウォーターポンププライヤー
とても評判の高いウォーターポンププライヤーですが、ちょっとお高め・・
必要十分なプライヤー
必要十分なウォーターポンププライヤーです。
注意事項:水道のナットを外す場合は、床下のナットが緩まないようにパイプ本体をウオーターポンププライヤーで抑えるようにしてください。床下が緩むと漏水して大変な作業になります。
フロートバルブの交換
まずピンクの金具と白い金具からフロートバルブを取り外します。引っかけてあるだけなので、簡単に外れます。
次に下側を外します。オーバーフロー菅にプラスチックがはめ込んであるので硬めです。
少し左右にネジって外しました。折れるかとひやひやしましたが大丈夫でした。
フロートバルブを取り外したところ
フロートバルブの密着性を上げるために丁寧に開口部を洗います。ここがギザギザしていると水が漏れる原因になります。
ネジを外せば密閉パッキンも交換できますが、今回は便器内への水漏れでしたので交換しませんでした。タンクの下側に水が漏れた場合はこのパッキンを交換すると治るようです。
新旧フロートバルブ
取り外したフロートバルブ
小だと白い球があるほうのみ開いて、大だと両方が開く仕組みです。
新しいフロートバルブ
ワイヤーが太くなってますが、それ以外はほとんど同じものでした。
ワイヤーの長さを外した旧フロートバルブと同じになるように、上側の金具で調整しておきます。
これをしておかないと、後の調整が面倒ですので、必ず行っておきましょう。
フロートバルブを、オーバーフロー菅の根元の突起にはめ込みます。はめ込みは簡単にカチッと入りました。個々のワイヤーを引っ張ってみて、開閉できればOKです。
ワイヤーをレバーハンドルにつなげて完了です。
つなげるのは、ピンク側のレバー反動にピンクのフロートバルブ。白に白です。
フロートバルブを交換して、ボールタップも取り付けた所
給水パイプを取り付ける
給水パイプに交換したパッキンを取り付けて締め付けます。ナットの締め付けは、パッキンが入っているので強すぎるとパッキンの効果が無くなりますので、強すぎず弱すぎずです。
ストレーナーを忘れないようにしてください。(私は忘れて一度外す羽目になりました・・・)
トイレ水漏れテスト
給水のテスト
もう一度、ナットなどの締め忘れがないかを、確認してメインの水道栓を開けます。
・給水パイプ周りに水漏れが無いかを確認
・タンクの下側に水漏れが無いかを確認
(水漏れがあった場合は、再度水を抜いてパッキンの交換をしてください)
・ボールタップの下側の排水と手洗いの水が出ているか(出ていない場合はボールタップの接続が不味いかもしれないのですぐ水を止めて確認)
上記3点が問題なければ、タンクに水を張っていきます。
ボールタップの調整
次にボールタップの調整で、給水が止まるのを確認します。
ボールタップの水位は、下図の②を回すことによって調整が可能です。
私は節水のために3cmくらい水位を下げましたが、勢いはあまり変わりませんでしたのでお勧めです。
フロートが上がって、水が止まれば問題ありません。しばらくはボールタップの下から少し水が落ちますので、止まるのを根気よく確認します。(感覚では1分くらいでした)
フロートバルブの調整
大体長さを合わせてあるので、問題ないと思いますが、小での流れ・大での流れが以前と変わらないのを確認したら、完了です。
動きを変更する場合は、ワイヤーのボールの位置を変更して好きな流れ方になるように調整してください。
最後に蓋の取付
以上の動作確認が終了したら、手洗いに給水パイプを手でねじ込んで、蓋を載せれば完了です。
トイレ水漏れ後・動作確認の動画
以下に弁の動作の動画をリンクします。
途中で足が映るのはミスです・・・見なかったことに・・・
まとめ
最初どの部品を交換すればよいのかがなかなか見つからず、苦労しましたが見つかってからはスムーズに交換作業はできました。
トイレ内部の洗浄とかボールタップの洗浄とかを除けば、写真撮ったりしている時間を入れても、1時間程度で完了したのでお手軽だと思います。
知人は同様な故障で便器の全交換を進められ50万という見積で、強く修理を依頼して修理をしたのですが、1週間も待たされて7万とか取られたらしいです。
同じ系統の便器を探せば、自分で便器の交換も簡単そうですので、次は自分で便器を交換してみたいと思います。
コメント
こんにちは初めまして。
motoさんのサイトを見つけて、やっと
トイレタンクの水漏れが直りました。
TOTO.HP、YouTubeなどで調べながらパーツを揃えても上手くいかず
業者に頼むと高額請求されそうで意地になってました。最初からmotoさんに
たどり着けば、すんなり直せたと思います。トイレタンクの品番が同じで
ボールタップ、フロートバブルなど
直し方の説明がとても丁寧で分かりやすく壊れたパーツの注文も直ぐに出来ました。本当に感謝です。ありがとうございました。
お役に立てて良かったです。
私も調べたのですが良いブログがなく困ったので詳しく記載しています。
他の記事も、(ちとマニアックなオーディオ系が多いですが・・・)読んでいただけると嬉しいです。