AIYIMA A07 改造3 TPA3255 12Vに LCフィルターを入れる

AIYIMA A07の12V系には0Ω抵抗と0.1uFが入っています。リファレンスでは3.3Ωの抵抗が入っているのですが、0Ω抵抗に変わっていました。GVDDは内部回路の電源ですので、出力からの回り込みを避けたいところです。

AIYIMA A07

今は後継機も出ています。

改造

GVDD/DVDDに入っている0Ω抵抗をチップインダクターに交換
0.1uFのコンデンサーがGND間に入っているので、10k程度のLPFとして働くはずです。TPA3255の発振周波数は450k-600k(設定による)なので、十分な性能改善が期待できます。
どの程度電流が流れるかは不明ですが、1700mAも流せるので大丈夫でしょう。

使用部品

Murata DFE18SAN1R0MG0 1uH チップインダクター ×3 5個で110円

■主な仕様
・磁性体材料:メタルアロイ
・インダクタンス:1μH
・許容誤差:±20%
・定格電流:1700mA
・シールド:有
・DC抵抗(DCR):0.128Ω
・動作温度:-40~85℃
・インダクタンス周波数:1MHz
・実装タイプ:面実装
・パッケージ:1608
・サイズ:1.6mm×0.8mm×1.0mm

内容

枠で囲ったところの0Ω抵抗を1uHのチップインダクターに変更

赤枠の3個

作業

今回は近くにコンデンサーなどがあり、部分加熱による部品のダメージを減らすために基板を100℃まで加熱して作業を行います。
東芝の電子保温機が基板の加熱にちょうど良く80-120℃程度まで上昇しますので十分な性能です。今は生産中止です・・・
温度コントロールは、安い温度コントローラーで行っています。これで充分コントロールできます。

この程度の作業はライト付き3倍ルーペで対応しています。

USB加熱台も良いかと思います。

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フラックスを塗って半田ごて2本でチップのハンダ部分をはさんで取り外し

チップインダクターをハンダ付け・IPAで洗浄
このクラス以下のチップ部品のハンダ付けは、チップが曲がりやすいので気を使います。

基板の洗浄にIPAは欠かせません。普通のエタノールみたいに白く残りませんし、洗浄力も強く毒性も少ないので、洗浄はこればっかりです。揮発すれば有害なものは残りません。
洗浄液は残差が残りそうなので使わないようにしています。

完成

追記
今回のチップインダクターは高さが少し高いので、放熱器の締め方によってはショートする可能性があります。カプトンテープなどの高耐熱テープで保護してください。

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まとめ・視聴

チップインダクターの発熱は、手で触ってもほんのり温かい程度でしたので問題なさそうです。

予想通り発振周波数の周り込みが減少したので、歪感が大幅に減少しました。
バランスも良くいい感じです。SMSLのSA300に近い透明感が出てきています。
今までの改造の中で一番音質に貢献したかもしれません。

入力部のカップリングコンデンサーやオペアンプがそのままでも、ここまで改造すると相当音質が向上します。
まだ12V電源関係の電解コンデンサーなども交換していませんので、今後の期待大です。

注意事項
改造行為はある程度以上の道具と熟練度が必要ですので、電気やハンダ付けの知識がない人にはお勧めできません。

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当ブログも500記事を超えたので過去記事のまとめを作成します。今回はデジタルアンプ関係になります。数えてみると足かけ2年30記事以上を書かせてもらいました。A07にかけたコストは本体の30倍以上、時間をコストに換算すると100倍くらいになるかもしれません。

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