AIYIMA A07 改造4 電源部IC検討

通常の3端子レギュレーターだと低ESRのコンデンサーを使うと発振したり不安定になるので、ICを調べてみました。まずメイン電源から15Vに落とすところは、XL7015E1というIC。その後12Vに落とすのは定番の7812・そこから3.3Vに落とすのはCJT1117BというICでした。

電源IC調査

XL7015E1

中国でしか売っていないICのようです。入力電圧が20V~80Vと広いDC-DCコンバーター用です。
発振周波数150kHzでノイズ的には辛いかもしれません。
細かい仕様が不明なのですが、この構成だと低ESRのコンデンサーを使っても行けそうです。

ほぼデーターシートの回路のままです。

さすがに置き換え品は見つからなさそうなので、このICはこのまま使用します。

7812

定番の3端子レギュレーターで12V/1.5A出力。メーカーの特定はマークで判別するしかないので苦労しました。1117を調査したら同じマークがあったので特定できました。JSCJという中国の会社です。形はTO-263-2Lというよくある表面実装タイプです。
20uF以上のコンデンサーを使うのには、以下の回路が推奨されていました。

低ESRのコンデンサーを使うのは危険なようです。
低ESRの出力コンデンサーを使うのには、電源ICの交換が必要ですね。

秋月電子で探したら外形も同じで、低ESR対応品がありました。
日清紡マイクロデバイスのNJM7812SDL1です。データーシートから入出力コンデンサーの記載を抜粋しました。

入力コンデンサ CIN について
入力コンデンサ CIN は、電源インピーダンスが高い場合や、VIN 又はGND 配線が長くなった場合の
発振を防止する効果があります。
そのため、推奨値(電気的特性共通条件欄に記載している容量値)以上の入力コンデンサCIN をVIN
端子- GND端子間にできるだけ配線が短くなるように接続してください。

出力コンデンサ CO について
出力コンデンサCo はレギュレータ内蔵のエラーアンプの位相補償を行うために必要であり、容量値
とESR(Equivalent Series Resistance: 等価直列抵抗)が回路の安定度に影響を与えます。
推奨容量値(電気的特性共通条件欄に記載している容量値)未満の Co を使用すると内部回路の
安定度が低下し、出力ノイズの増加、レギュレータの発振等が起こる可能性がありますので、安定
動作のために推奨容量値以上のCo を、VOUT 端子-GND 端子間に最短配線で接続して下さい。
尚、Co は容量値が大きいほど出力ノイズとリップル成分が減少し、出力負荷変動に対する応答性も
向上させることが出来ます。
また、コンデンサ固有の特性変動量(周波数特性、温度特性、DC バイアス特性)やバラツキを充分に
考慮する必要がありますので、温度特性が良く、出力電圧に対し余裕を持った耐圧のものを推奨
致します。
本製品は低ESR品を始め、幅広い範囲のESRのコンデンサで安定動作するよう設計されておりますが
コンデンサの選定に際しては、上記特性変動等もご考慮の上、適切なコンデンサを選定してください。

動作ESRのグラフ

CJT1117B 3.3

このICも多数の会社が作っていますが、この会社のデーターシートを見た時に、7812にも同じマークがあるのを見つけました。これは多分同じ会社で作っているICです。
12VからリセットIC用の3.3Vを作っています。
こちらも低ESRのコンデンサーはNGでした。

こちらも低ESR対応品を探したら、同じく秋月電子にありました。流石です。
AZ1117CH-3.3TRG1です。形状もSOT223なので同じでした。

この2個のICを交換してしまおうかと思っていますが、放熱用にアースパターンについているので、交換は周りの電解コンデンサーを外さないとうまく外れません。
少し悩んでいますが、まずは交換する方向で手配しました。

まとめ

色々調査していると、問題点が山積みに出てきます。
電源部の安全率は通常2倍見ないと危ないですが、今回は1.5倍で検討しますので発振すると危険です。
最悪発火する可能性もゼロではありません。実際は出力ショート保護回路が動くと思いますが・・・

やはり改造での限界が見えてきます。

注意事項
改造行為はある程度以上の道具と熟練度が必要ですので、電気やハンダ付けの知識がない人にはお勧めできません。

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