35年ほど前、手が小さい私は会社支給のラジオペンチだと大きすぎて扱いにくく、リードに傷がつくので個人で購入しました。その後、当時の工具のほとんどを紛失してしまいましたが、このリードペンチは工具箱に残っていました。手入れが悪いせいで開きが悪くなり、先も傷ついていますが何とか現役復帰させます。
現状
片側の絶縁被覆が破れて上側に移動しています。片方は外れています。かみ合わせも削れて今一で、開閉も引っかかる状態です。かろうじてバネは問題なかったのでこのままでいきます。
修復開始
ダイヤモンドやすりで噛み合わせ部分を修復していきます。削りすぎるとかみ合わせがおかしくなるので慎重に行います。
カッターで絶縁被覆を切って外します。
蝶番部分のひっかりを直すためIPAを垂らして、引っかかりが無くなるまで開閉します。
このままでも問題なしですが、もう少し平滑にするために4000番の研磨剤で磨いていきます。
水と研磨剤を綿棒でこすって研磨していきます。
綿棒の先に研磨剤を取り水を垂らしてこすっていきます。これを20,000番まで繰り返すと顔が映るまでになりますが、ピカピカになりすぎると邪魔なのでヘアーライン仕上げにします。
その後、研磨粉を水でよく洗って落とし乾燥させます。丁番の中まで良く乾燥させグリースを塗っていきます。
絶縁用に2:1の熱収縮チューブを被せます。8-10mmの物があればよかったのですが、12mmしかなかったので、少し大きいですが我慢します。
ホットガンで収縮させましたが、太すぎたので根元が収縮しきれず、やむなくラジオペンチで圧着
しました。
とりあえず完成・チューブがカッコ悪いです・・・・
先端はこんな感じで、ギザギザになっていたところも、おおよそ無くなり噛み合わせも大丈夫
先端はもう少し、磨いたほうが良かったです。
柄の一番太いところが6.5mmくらいなので、6-8mmの4:1の熱収縮チューブなら綺麗に付いたと思います。Aliexpressで購入するかなー
使用部材など
IPA
最近は清掃のほとんどがIPAになりました。
研磨粉
コンパウンドのように油が入っていないので水で溶けば使えるのと、番手が明確で安いです。
グリースとかオイルで溶けば油性コンパウンドにもなりますし、劣化しないので最強です。
熱収縮チューブ
中華製ですが厚みもあり強度も十分です。この会社は送料がかかりますが、対応が良いので良く使っています。2:1は安いのですが、4:1は高いのが欠点です。
グリース
グリースは色々な種類がありプラスチックなどに攻撃性がある物も多いので、工作にはいつもこのグリースを使っています。食品グレードですので安心です。ちょっと高めですが・・・
まとめ
35年来使ってきたリードペンチが復活しました。掌の中に入るくらいの大きさのリードペンチですが、購入した当時で2,000円以上したと思います。メーカーは刻印がないので不明ですが・・・
先が短く細かい作業がしやすいので、これからも主力で使っていきます。熱収縮チューブはもう少し細いやつをそのうち購入します。
ペアで購入したミニニッパーは同僚が鋼線を切って1mm近く刃こぼれし、2年もしないうちに廃棄になりましたが、このリードペンチは日本全国+海外出張でも使っていましたので、思い出がいっぱいです。大事にしたいと思います。
コメント