ヤクオフを眺めていたら、NFJ公式ジャンクのFX-Audio_D302J+2台セット が出品されていました。この前修理した時に1個余ったSTA369BWSがありますので、これは修理してしまおうと思い落札しました。送料入れると2台で1万なので熱くなって失敗・・・・
開封
梱包も綺麗でさすが販売店です。
不良戻り品だということで故障内容を確認したら、電源が入れない・電源は入るが音が出ないという内容でした。全く傷もなく綺麗な筐体です。
分解
分解は非常に簡単です。
つまみを引っ張りぬいて、中のナットをM10のレンチで外します。
背面を2mmの6角レンチで外して、後ろに引っ張り出せばOK
ケーブルは押し込みロック式のコネクターなので、黒部分を引っ張れば外れます。
電源が入らないD302J+ 基板はV5.2です。目視では特に問題なし
音が出ないD302J+ V5.4です。目視は問題なし
STA369BWSの購入先 本物でした。STA369BWとSTA369BWSだと機能が少し違います。
FX-Audio D302J+ スペック
ハイレゾ対応デジタルアナログ4系統入力・フルデジタルアンプです。
【製品の特徴】
■高級アンプに負けない音質
高級機の音質に匹敵する聴き味になるよう、使用パーツを吟味し、回路設計の改善を重ねています。
従来のフルデジタルアンプとは別格の高音質をお楽しみいただけます。
■フルデジタルアンプ
フルデジタルアンプICにSTMicroelectronics製「STA369BW」を搭載
入力からアンプICまでをフルデジタル化することで音の劣化を最小限にし、デジタルアンプのメリットを最大限に引き出しています。
■デジタル入力3系統(ハイレゾ対応)+アナログRCA入力1系統を装備
光デジタル/同軸デジタル/USB の3系統デジタル信号入力に加え、アナログ入力にも対応。
USBレシーバー(USB DDC)として「VT1728A」を搭載し、USB入力もハイレゾ対応となりました。
アナログ入力は高SN比の「PCM1808」ICにてデジタル変換を行い、「CS8422」経由でデジタルアンプICへ出力します。
■高音質な電子ボリューム・トーンコントロール機能
電子ボリューム・電子トーンコントロール機能により、アナログ回路ではどうしても発生するギャングエラー(左右のボリューム誤差)や信号の劣化損失を回避しています。
100ステップの精細なボリュームコントロールに加え、BASS・TREBLE共に±12dB(14ステップ)の高音質なトーンコントロール機能を搭載しています。
ハイレゾ対応デジタルアナログ4系統入力・フルデジタルアンプです。
【製品仕様】
アナログ入力:1系統 ステレオRCA端子
デジタル入力:3系統 USB TypeB / 光デジタル音声入力(角型)/ 同軸デジタル音声入力
対応フォーマット:PCM [USB入力]最大24bit 96kHz / [光・同軸デジタル入力]最大24bit 192kHz
ヘッドフォン出力:3.5mmステレオミニジャック (オペアンプNE5532搭載ヘッドフォンアンプ内蔵)
出力端子:2chステレオスピーカー出力 (バナナプラグ対応金メッキ端子)
最大出力:最大15W×2ch(電源入力12V・4Ω時) / 対応スピーカー: 4Ω~16Ω
電 源: DC12V 電源容量2A以上推奨 (ACアダプター別売)
機 能: デジタル3系統+アナログ1系統入力切替・トーンコントロール機能・ミュート機能
付属品:説明書
サイズ:高さ33mm×幅133mm×奥行き108mm(突起部含まず)
重量:445g
修理開始
まずは、電源が入らないほうを見ていきます。
安定化電源にDCプラグを刺して確認します。電圧は12V、電流制限はMAXにして徐々に電流を流していきます。
うわー、ショートしています。1Vで0.2Aも流れます。速攻で電源を落としてテスターでチェック
GNDと+12V間で0.1Ωです。これはどこかショートしているようです。
初段の電源系で部品が沢山あり特定するのは難しそうです・・・・
まずは基板を眺めまくってショートしていそうなところを探します。うーん。見つかりません。
こうなると一番怪しいのはパワーアンプICなので、外しちゃいます。
いつもの保温機に乗せて予備加熱して、触れないくらいに熱くなったらホットガンを275度にセットして加熱していきます。
ピンセットで横から軽く触ってずれたら簡単に外れます。スペースが横にあったのでずらしました。
予備加熱すれば10-15秒で外れます。ホットガンがあると表面実装部品の取り外しは楽ちんです。
外したICのピンをお掃除してショートをなくしました。ハンダ吸取り線で吸えば綺麗になります。
加熱したICを抑えるのに便利なのは、先曲がりラジオペンチ。こんな感じで抑えます。
重みもほどほどにあるので便利です。持っていない人はラジオペンチに楊枝の先などで抑えれば同じようにできます。(目をつかないように中止してください)
基板のほうもハンダ吸取り線とこてでお掃除します。フラックスはたっぷり塗らないと綺麗に吸えません。その後IPAでお掃除します。
ハンダ豆知識
フラックスはハンダの濡れ性と、加熱によるハンダやパターンの酸化を防ぎます。ハンダの表面張力を下げる働きもあるので、ハンダ付けする前にたっぷり塗るようにしてください。
電子回路用のフラックスは絶縁性能も良いのでふき取る必要はありませんが、見栄えが悪いので私はIPAで拭き取ってしまいます。(電子回路用以外のフラックスは酸が入っているので錆びます)
注射器タイプのフラックスが使いやすいです。
10cc入りで、私の使い方だと1年使っても半分ほど残っています。
ハンダが酸化しない温度調整付き半田ごてはほぼ必需品
人気があるので、よく売り切れになっています。
再目視チェック
うーん。だめでした。電源部がショートしています。
あれ?なんか電源フィルターのチョークコイルの先が浮いています。
足が曲がってショートしています。一度外して綺麗に巻き直して再ハンダ付けしました。
さすがにチョークの足元でのショートは盲点でした・・・・
1時間以上目視したので目がしょぼしょぼです・・・・
再度、ICを取り付けます。曲がりラジオペンチで抑えるのに、他の部品が邪魔だったので竹串を切って押さえました。
ピンセットの先で少しづつ動かして正確に位置合わせをします。0.1mmズレただけでもショートや接触不良になります。
対角をチョン付けして位置が問題なかったら、横1列を一気にハンダ付けしてハンダ吸取り線で吸取ると綺麗に仕上がります。
ハンダ付け完成
ずれもほとんどなく綺麗にハンダ付けができました。
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まとめ
今回は基板のパターンが壊れていなかったので、綺麗にハンダ付けできました。
今、稼働試験もかねて視聴しています。DM7+A07には劣りますがフルデジタルの強みか?思った以上にノーマルでも聞けます。いじれば結構いい線まで行くと思います。
このままだと3台もFX-Audio_D302J+があることになるので、ヤクオフにでも出品しようかと思っています。次は音が出ないほうの修理です。
最近は半田ごてを振り回すのが一番の趣味になってるかもしれません。(笑)
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