KC62のトラブルでオーディオ熱が冷めていましたが、そろそろDACのオペアンプ電源の改造を行っていきます。手始めに電解コンデンサーをフィルムコンデンサーにしてみました。大きくは変わらなかったですが、音の締まりがよくなり小音量での聞きやすさが向上しました。
SMSL M300MarkIIは5Vより昇圧型のDC-DCコンバーターで±12Vを作っています。回路を追っかけると昇圧部はSMSLオリジナルケースに入っており、改造は無理そう(壊しそう)なので、まずは出力のLPFのコンデンサーの交換することにしました。
在庫の付けられそうなコンデンサー
ESRの低下を目指しつつ、ESLも増加させないように親子ガメ方式で対応する予定
4532の上に3216を乗せて2012の3段。若しくは3216・2012・1608の3段
メインはフィルムかタンタルと思っていたのだが、タンタルは上部にハンダ付けできない。
PMLCAPも上部にハンダするスペースなし・・・再検討中
Panasonicの音響用フィルムコンデンサー・チップ形積層メタライズドPPSフィルムコンデンサ(ECHU) 882・332・103の3種類 2012サイズ
大き目の積層セラミック 1608・1005ならキットがあるので1pFから在庫あり
KINET タンタルコンデンサー 22uF
ルビコン 薄膜高分子積層コンデンサー(PMLCAP) 10uF/16V
交換内容
オペアンプの電源概略
現状ではニチコンの10uFが入ったパイ型フィルターでLPFを構成
昇圧電源のインピーダンスが高いのでπ型にしていると思われます。
オペアンプ近傍のパスコンは多分0.1uFの積層セラミックコンデンサー
パイ型フィルターのカットオフが10k程度なので下げられると音質に効果がありそうです。
既存コンデンサーが直径3mm程度なので、チップサイズは4mmくらいが限界。
22uFの薄膜高分子積層コンデンサー(PLMCAP)はサイズが5750で取り付けると美しくないので、10uFの4532サイズのPMLCAPに交換してみます。
作業工具・材料など
今回は面実装の電解コンデンサーを外すので、ハンダごては2本使います。
チップ部品が飛んで行方不明にならないようステンレスのトレイを使用し、3mmのハンダ吸取り線・中華フラックスUV-233・チタンピンセット・静電防止刷毛・自作低温溶融ハンダ・フラックス掃除にIPA・ハンダはAlmit KR-19 RMA0.8mm・虫眼鏡付照明を使います。
最近は面実装の部品を主にいじっているからか、リード付きのコンデンサーなどを外すのが面倒になってきました。スルーホール部分の基板も傷みやすいので、改造は面実装の基板が好きになってきています。
1005以下の細かい部品のハンダ付けは、ニコンの実体顕微鏡を使っての作業になります。(でかいので出すのがすごく面倒ですが)
中華チタンピンセット 先端が激細(0.3mm)で磁力がないので非常に使いやすいです。
ニコンの実体顕微鏡 SMZ-10
実作業
3倍のレンズでの作業、このシルバーの電解コンデンサーを外します。
①フラックスをハンダ面に乗せて、低温溶解ハンダを足に流し込みます。
(電源と±12V電源のためパターンが太く高温で作業すると基板が痛むため)
②半田ごてを2本持って両方のハンダ面を加熱し、ハンダが十分に溶けたらスライドさせて電解コンデンサーを左に落としました。(コイルや1005チップ抵抗などの部品が密集しているので、温風での除去は断念)
③低温溶解ハンダは脆いため、フラックスを追加してハンダ吸取り線でハンダを除去します。
④IPA(イソプロピルアルコール)でフラックスを軽く除去します。
⑤ハンダボールや他の部分へのハンダ付着・部品のハンダ剥がれなどが無いかを確認
⑥ケミコンパターンの片側だけハンダを少量盛り、ハンダ付けするパターンにフラックスを塗ります。
⑦片側だけ加熱してチップコンデンサーを取り付けます。4か所付いたら反対側もハンダ付けします。
⑧IPAとブラシでフラックスを除去したら完了です。ハンダ不良などが無いか周りを含めて確認します。
⑨テスターで電源のショートや端子間のショートが無いか確認します。
少し凸凹だったので、260℃の温風でハンダを溶かして押し付けました。
ハンダに光沢があり、まずまずのハンダ付けです。(自画自賛です・・・)
まっすぐ並べたらチップが少しずれていたのはご愛嬌ということで・・
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まとめ
1週間ほど聞いていますが、それほど変わらず(スーパーツイター・スーパーウーハーが付いていないのもありますが)、気持ち音の締まりがよくなり小音量での聞きやすさが向上しました。
修理中のスーパーウーハーが戻ってくると変わると思いますが、セッティングからやり直しなので比較できないかもしれません。
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