共立電子さんの完成基板「WP-AMP7266」を購入して視聴です。TDA7266は小パワーながら音質には定評があるアンプですので、どのように鳴るか楽しみです。3日ほどエージングしながら視聴してきました。
今回も簡単に治具を使って接続していきます。
初期動作確認
作った入出力ケーブルと電源ケーブルをつなぎます。
電源接続確認
菊水のPMC35-3A電源を接続、1A以上でシャットダウンする設定で試験
12V50mAでした。これなら大丈夫です。
スピーカーDC漏れ確認
無信号入力で、スピーカー出力をDCVレンジで測定
25mV前後でした。あまり良くはないですが100mV以下ですので大丈夫でしょう。
ということでスピーカーと入力を接続し音出しです。
問題なく音が出たので完了です。いつも初期接続は緊張します。
OF-OM101 周波数特性 簡易測定
周波数特性をパラメトリックイコライザーで調整していると、なにが正しい音なのかが不明になってしまいましたので、素の状態で聞いての比較をしたいと思います。
そのために、スマホでピンクノイズでの特性を測定してみました。
スマホでの測定 iphoneXR
昔から使っている Sonic Tools SVM で測定します。
素のデーターだと部屋の特性で結構暴れています。
パラメトリックエコライザーで調整していた特性
ある程度、調整していた特性です。
前のデーターでの調整ですので、まだ凸凹はあります。
この差は聞くと結構大きくて、別のスピーカーを聞いているようです・・・
まー視聴用なので、素の特性でしばらく聞いてから比較します。
視聴
以下の曲などを視聴していきます。
最近私はノージャンルで聞いているので、ジャンルも時期もバラバラです。
AIYIMA A07改での視聴
いつもは2Way+スーパーウーハーで聞いているので、ナローレンジで、上も下も出ていない感じがします。それでも聞き進めると耳がなれるので、ある程度、聞けるようになりますね・・・
電源もUSB PD3.1ですので、ナローレンジでもスピード感とS/Nは十分です。
TDA7266視聴
アンプゲインがTDA7266が大きいので、チャンネルデバイダーでレベルを下げて同一レベルで視聴します。EKIOで専用ファイルを作っておきましたので、音量の再現性は高いと思います。
安定化電源PAM35-3Aで視聴
おーなかなか良いじゃない!というのが最初の感想です。
AIYIMA A07改より明らかに落ちる点が少ない!低域もそこそこ伸びているし、聴覚上はフラットで歪も感じません。
安定化電源PAM35-3Aの入力にDCサプレッサーを入れる
やはりAB級ですので音量で入力電流が大きく上下します。応答性能が良い電源で聞くと良い感じで聞けるのかなと思い、応答性能を落とすためにDCサプレッサーを電源入力に入れてみました。
応答性が悪くなるようで、ドラムのインパクトが弱くなります・・・
音は全体的に細くなりました。リニア電源は入力側のAC特性の変化に弱いようです。
秋月の12V/3A電源で視聴
こちらは5分持たないで脱落
歪やノイズが気になるので、速攻で視聴中止・・・
USB PD3.1電源+PDデコイで視聴
こちらは購入していたUSB PD 3.1 300W電源にデコイで12Vを使って供給します。
Aliexpressで購入した300W電源は、発熱も思ったより少なくノイズもアドテックの140WPD3.1電源と同等ですので、よい買い物をしたと思います。
やはりリニア電源より上です。菊水のPMC35-3Aは、過渡応答特性も高い電源ですがGaNのAC-DC電源にはかないません・・・
USB PD3.1電源+PDデコイで視聴の入力にDCサプレッサーを入れる
比較として同じように、DCサプレッサーをUSB PD 3.1 300W電源の前に入れてみました。
こちらは特に変わった感じはありません。
変化が少なかったことに関する考察
ACアダプターなどのスイッチング電源は、AC100Vを直接整流して数100kHz以上の周波数を発振させ、その後トランスで落とし再度整流してDCにしています。
なぜこのような面倒なことをするかというと、トランスを小さく効率化できるためです。
最近はサイズや重さ、消費電力が大幅に少なくなるため主流です。
しかし、今までは50kHz-150kHz程度の発振周波数だったので、オーディオだと音を濁すために嫌われてきました。
最近のUSB PDでは発振周波数もMHzオーダーとなりコンデンサへの充電も商用電源よりはるかに速くなり、ノイズもMHzのため落としやすい。とういう利点が効いているのだと考えています。
話が脱線しましたが、スイッチング電源はDC化して再AC・さらにDC化するステップを踏むために入力のACの質による差が出にくいのだと考えます。
ただ今までのACアダプターでは100mV以上の高周波ノイズが重畳されるので音が悪い。
それをUSB PD3.0という規格では20V/5A・PD3.1だと28V/5Aまで供給でき、小型化するためにGaN素子を使って周波数を上げたことにより、オーディオとしても使える電源になったのだと思います。
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まとめ
共立電子さんのTDA7266完成基板を購入して視聴してみました。
アナログアンプは電源の品質にものすごく敏感だと分かりました。高級アンプでの電源への物量の投入は必須だったのですね。
USB PD3.1の音質が素晴らしいので、これから次々とオーディオ用高級スイッチング電源が出てくるのではないかと感じます。
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参考:TDA7266仕様
マウザーさんのHPより参照
- 広い供給電圧範囲 (3 ~ 18 V)
- 最小限の外付け部品
- SWRコンデンサなし
- ブートストラップなし
- ブシュロセルなし
- 内部固定ゲイン
- スタンバイ機能とミュート機能
- 短絡保護
- 熱過負荷保護
ローコスト版のサンプル回路
共立電子さんの回路とほぼ一緒
部品配置もほとんど一緒
周波数特性や歪もスペック上は今一です。
WP-AMP7266仕様
- 電源電圧:DC10~14V(推奨12V)
- 出力:
・5W+5W(8Ω):THD 0.2% 1kHz
・8W+8W(8Ω):THD 10% 1kHz - 入力:ラインレベル
- 基板サイズ:72(W)×60(D)×32(H)mm
歪率や周波数特性はあまり良くないですが、音が良いということで購入しました。
周波数特性は入力インピーダンスに比べて、入力のコンデンサの容量が低いのが原因だと思っています。
標準アプリケーションだと0.22uFですし、WP-AMP7266でも1uFですので、3-5uFくらいにすると落ち始めるのが30Hz程度に改善できると考えています。
共立電子さんの特性・入力カップリングが1uFなので低域はサンプル回路よりも伸びています。
f0が5Hzくらいです。3uFくらいにすれば2Hz以下になるので、気にならないくらいになります。
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