サーモグラフィーカメラ HIKMICRO Pocket2 レビュー

前からサーモグラフィカメラが欲しかったのですが、良い奴は高いので躊躇していました。安いのだとセンサー数が少なく精度も低いため細かいところが分かりません。色々調べてみてHIKMICRO Pocket2にしました。

サーモグラフィーカメラ検討

ガンタイプは多数の測定をこなすときには有効ですが、携帯には不便なため今回は検討外としました。
スマホに差し込むタイプは安いですが、今のところアンドロイド専用なので選定外。
色々調べると有力メーカーでそこそこお安いのは、HIKMICROとFLIRの2社が有力でした。

必要項目を優先順位が高い順に列記していきます。

・スマホタイプなこと(携帯性とカメラ固定を考慮)
・サーモセンサー数が多いこと
・カメラ画像と合成する機能があること(画像からどの辺が過熱しているかを判定したい)
・動画を撮影できること(時間経過で加熱を見たい)
・3時間程度は動画を撮影できること
・USBなどでPCと簡単に連動できること
・固定して使うのでスマホタイプで雲台に付けるビスが下部にあること
・外部メモリが使えること

表を作成後に調べたら、よいグラフがありました・・・
この表を見るとサーモセンサーが256×192より上になるとお値段が50万近くに跳ね上がります。
しかもFLIRのC5には動画撮影機能がない・・・
ということでおのずと、HIKMICRO Pocketになってしまいました。

Pocket1とPocket2は、サーモセンサー数以外はほぼ同スペック、2万の差がありますがサーモセンサーが多いPcket2にすることにしました。

HIKMICRO社とは

中国杭州にある温度測定や超音波技術を主とし、2008年創業でグローバルに展開しているメーカーになります。
HPでも会社規模などの詳細が分からないのが・・・・

機能など

直感的にわかりやすいインターフェイスで、上部の電源ボタン長押しで電源ONし(10秒ほどで立ち上がります)
録画ボタンを短く押すと静止画・長押しで動画が撮れます。

静止画は光学画像とサーモ画像がjpgで内部メモリに収納されます。

動画はサーモ画像のみで、MP3で音声も録音できるので説明などにも使えそうです。

サーモ画像は色々な表現形式があって、なかなかいい感じです。アイアンボウという種類が私的には分かり易くて良かったです。

ちょっと不満なのが、光学画像の方が映す範囲が大きいのでトリミングしないと同じサイズにならないことですね。
以下に家のアンプなどを映した静止画を載せておきます。

アイアンボウでのA07画像 奇麗にエッジも出ているので分かりやすい。中央のマークが左上の温度です。

アイアンボウでのKC62 光学では暗いところもサーモカメラならばっちり分かります。

動画で測定してみた

起動直後から徐々に温度が上昇しているのが分かると思います。

トラブル

動画の音声を聞いたときに気が付いたのですが、30-60Sおきにレベルの高いノイズが音声に乗ります。
自動公正時に乗っているようです。下がAudacityで音声データを取り出したときのグラフになります。

要望がありましたので動画ファイルをUPします。 途中で入るピッ!という音が上のひげの部分です。

非常に不快な音で人には聞かせられないため、日本代理店に連絡してみました。
以下がメール本文

宛先:MIKMICORO担当者殿

7月末にPocket2を購入して便利に使わさせております。
動画撮影時に30s-60sおきに高周波ノイズが混入します。
校正時に鳴っているようです。
対応の仕方はありますか?
Audacityでの音声データー画面コピーを送ります。
時々入る大きなレベルが見えると思います。

良い連絡があるといいなー(壊れてないよね・・・)

2024/8追記
HIKMICRO Japan公式サイトは自社で売った物しか把握できないようです。
購入した店などを教えたのですが、その後1Weekたっても何も返事がないようです・・・

最後のこの一言は・・・返事する気がないってことなのかなー
ご購入いただきました際の店舗が当店ではなく、他店の場合はご購入いただきました対象の店舗でお問い合わせいただいた方が早く対応できることがございます。
お手数をおかけいたしますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。

2024/9追記
さすがに返事が来ないので、購入先に問い合わせ中です。

バージョンアップ

今現在のバージョンが5.5.61、最新バージョンが5.5.62です。
「Firmware_Pocket1 Pocket2_V5.5.62_240514」こちらでバージョンアップしています。

修正内容は下記の内容になります。
・電源ボタンを押すとカメラがシャットダウンする。
・メニューアイコンを録画などから消去

マニュアル

日本語マニュアルは少し古い物しかありませんでした・・・
「UD30268B_Pocket Series_UM_V5.5.29_ja-JP_20221011」

英語マニュアルは「UD36708B_Pocket Series_UM_V5.5.61_en-US_20240307」
こちらをGoogle翻訳で日本語にした方がよさそうです。

まとめ

HIKMICRO Pocket2を購入して使ってみました。
思った以上に鮮明で基板の温度上昇や、温度上昇試験の記録にも使えそうです。
温度がらみの内容では、サーモグラフィーカメラじゃないと分からないものも多数あります。
高かったですが、買って良かった測定器の一つです。

HIKMICRO Pocket2の最小終点距離が0.3mなので、以下のマクロレンズを装着すれば基板の小さいチップまで確認できますね。このマクロレンズも購入します。

HIKMICRO マクロレンズ 0.12X Pocketシリーズ Pocket用

HIKMICRO Pocket1

HIKMICRO Pocket2

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