8chマルチDAC Topping DM7を導入したのですが、スーパーウーハーKC62がRCA入力のため、新たにTRS-RCAケーブルを作成しました。TRSケーブルの奥行きを抑えるためにTRSコネクターを「REAN NYS202」RCAコネクターを「NYS352G」を使い作成します。NYS202は金メッキコネクターがないのでDIYで金メッキしました。
TRSコネクターとは
モノフォーンコネクターをTS・ステレオフォーンコネクターをTRSと呼んでいるので、何の略なのか調べました。TRSはTip(チップ)Ring(リング)Sleeve(スリーブ)の略でした。
TRSコネクターはヘッドホンやバランスコネクター用として使われています。大型のコネクターのため徐々に減っては来ていますが、業務用ではまだ現役です。
バランスコネクターはXLRが主流ですが、機器を小型化する場合にTRSコネクターが使われるのが多いです。XLRコネクターは接続されるとロックされるのが特徴です。
DIY24金メッキ
最初に「REAN NYS202」を24金メッキします。メッキはごく薄い金属皮膜を作るだけなので、元の金属凸凹がそのまま出てしまいます。
最初にIPAで脱脂・清掃して、そのまま24金メッキした物が下側・少々研磨して24金メッキをしたものが上側になります。ニッケルメッキはごく薄いので、磨きすぎると下地が出るためほどほどに磨いたものになります。
チップ側はメッキ前の処理が綺麗にされていたので、24金メッキが綺麗に乗っています。
TRSコネクターを磨く
RIANのTRSコネクターのリングやスリーブは、銅合金(多分黄銅)を旋盤で削り出してそのままニッケルメッキしたようです。
磨ききって黄銅まで下地を出してからニッケルメッキ→24金メッキと行えば、鏡のようになりますが、面倒なのでそこまでは行わず、ニッケルメッキの表面を少々削る程度にします。
使用したのは「新潟精機 SK 日本製 ポリッシングパウダー・ホワイトアランダム」#4000-#8000まで、「新潟精機 SK 日本製 ポリッシングパウダー GC(グリーンカーボランダム」#20000-#30000」の4種を使いました。#2000だと削りすぎるため、#4000からの使用です。
磨き作業
ポリッシングパウダーを綿棒の先に付けて、数滴の水を垂らして磨いていきます。
ポリッシングパウダーは番手が小さいほど目が粗いので、小さい番手から作業を行います。
下地を剥いで鏡面仕上げをするならば、#1000-#2000で行うほうが良いと思いますが、今回は表面を均す程度にするので、#4000から磨いていきます。
水でぬらす前に綿棒で少量のポリッシングパウダーを付けます。
数滴の水を落として綿棒で全体を均一にこすっていきます。力を入れるとメッキが不均一になるので優しくこする感じです。
こすっていくと下のようにニッケルが剥げて綿棒が黒くなります。
番手を上げるたびに、水とティッシュで綺麗にふき取ります。
綺麗にふき取らないと前の番手で傷がつきます。
そこそこ輝きました。
今回は#30000まで磨きましたが、この程度なら#2000-4000で磨けば十分です。
粉末の研磨剤を使う意味
オイルで練ったコンパウンドではなく粉末の研磨剤を使用している意味は、研磨後メッキをするのでオイル分があると弾いてムラができる・絶縁部分などの隙間にオイル分が残るのを嫌ったためです。
家にあったからという理由もあります(笑)
24金メッキ
再度、ティッシュなどで綺麗にふき取ったら、IPAで脱脂を行います。メッキ工房の電気脱脂を行えば完璧ですが、面倒なのでIPAだけで脱脂です。
クリップをメッキしたい電極に取付て、メッキ器具の先端にメッキ液を付けてこすっていきます。
メッキが付着しなくなったら、金メッキ液を補充していきます。
メッキが終わったら、IPAでの洗浄・ティシュでのふき取りを行えば完成
下地メッキをする意味
銅合金に直接24金メッキをすると、初期は付着していますが、時間がたつと銅の中に金が拡散して銅の地金が出てきてしまいます。そのため下地にニッケルメッキをして金の拡散を防いでいます。
又、金メッキだけだとピンホールが開きやすく、そこから錆びるのを防ぐ意味もあります。
24金メッキをする意味
下地のニッケルメッキのピンホールをふさぐ・コンタクト部分の接触強化・見栄えという意味があります。24金は柔らかく摩耗しやすいので、見栄えの金メッキは10金から14金が使われています。
コンタクト部は24金の柔らかさを生かして接触面積を大きくできるため有利です。
DIYで24金メッキができるので、禿げたら金メッキを再度行えば摩耗は気にしなくていいと思います。
ケーブル作成
まずはケーブルの外皮を剥き、保護用の糸が入っているのを切り取ります。
青線が2本・白線が2本・シールドと分けて、ワイヤーストリッパーで被覆を剥き、青線2本・白線2本をよじって予備ハンダを行っておきます。
片側のケーブルが完了した段階で、ケーブルをまとめるために、12mmの熱収縮チューブを数か所入れて熱収縮しておきます。こうするとケーブルのまとまりが良くなって整理しやすいです。
コネクターと接触防止のチューブを入れます。
時々入れるのを忘れたり、作業中に落としたりして再作業で泣きが入ります・・・
REANのコネクターは6mmぴったりで、6.2mmのケーブルに擦り傷が入ってしまいました・・・
ハンダ付けは下手なので割愛(笑)
実は作業に夢中で写真を撮るのを忘れただけです。
熱収縮チューブを入れる
REANのコネクターは外殻が金属なのとL/Rの色分けがないので、赤と黒の熱収縮チューブで分かりやすくし、コネクターが他と接触するのを防ぐ&ケーブルの根元が傷むのを防ぐために、絶縁体の熱収縮チューブを入れます。
今回は12mmの1/2まで収縮するチューブを使いました。大体50mm使います。
コネクター側の所が合うように上側から熱収縮させます。
完成
まずまずの出来です。
テスターで接続の確認を行います。(ホントは熱収縮チューブの前ですが・・・忘れました)
実機に接続
KC62にRCAコネクターを接続・緩くもなく硬くもなく丁度いい感じです。
DM7に接続、隣はサウンドハウスさんのクラシックPROで、10mmくらい短く作成できました。
使用材料
TRSフォーンコネクター:REAN NYS202
RCAコネクター:REAN NYS352G
マイクケーブル:CANARE L4E6AT
12mm 1/2 熱収縮チューブ赤・黒: 各10cm弱
研磨剤:ポリッシングパウダー #4000-#20000
メッキキット:メッキ工房キット
脱脂/清掃:IPA(イソプロピルアルコール)
研磨剤は目が細かいほど高くなります。
めっき工房
まとめ
やっとTRSコネクターが来て、ケーブルを作成できました。
REANのTRSコネクターは短くて使い勝手は良いです。作成しにくいですが・・・
遅筆なのでブログを書くのに2時間以上かかり、作業時間よりかかることもしばしば・・・
元々は自分の記録のためにブログを始めたのですが、読んでくれる人も少しづつ増えて喜んでいます。
これからも精進していきます。
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