AIYIMA A07 購入・分解 レビュー

マルチチャンネルDACでソフトチャンネルデバイダーを導入し、マルチアンプ化するに当たって小型のアンプでシンプルで改造しやすそうな物を探していました。そこでTPA3255を使っているAIYIMA A7を選定しました。何といってもCRの定数が基板に記載してあるので楽ちん!

構想

・デカップリング・カップリング系のCRを高品位なものに交換
・入力のオペアンプなどは使用せず、BTL接続部に直接バランス入力させる。
  課題が多いですが試します。過大入力対策・ノイズ対策など 
・パワーがありすぎるので、最悪性能が良さそうなTPA3254にICを変更
・VDDの12Vを作っている電源ICを高品質のものに交換
・PVDD電源(ACアダプター)の低ノイズ化(回路的にはきつそう・・・)
・電源電圧は24V~32V 高パワーは今のところ必要なし

ここまで改造すると外見とメインIC以外はいじることになりそうです。

開封の儀

今回はAmazonで購入 割引があったので7,500円弱で購入できました。
中華製ですがグローバル企業なので、箱もそこそこです。

梱包もしっかりしています。
内容物は、A07本体・32V/5AのACアダプター(PSEなし・・・)取説・AIYIMAシール

本体
作りは悪くないです。安いのでそれなりですが
正面は電源スイッチとボリュームのみ 感触は悪くないです。

背面も、RCAin・AUXout・スピーカ―out・DCinのみのシンプル構成
背面のキャップボルトは黒クロメートの長いのに変えましょう。

とりあえず視聴

今回の比較はノーマルのSMSL SA300です。パワー比で1/8の値段なので可哀そうですが・・・
MA300に使われているInfineon MA12070も線は細めですが、クリアーな音質のパワーアンプICです。

DACはMOTU M4です。導入したばっかりのオーディオインターフエィスです。
音はバスパワーで動く中では相当良いほうだと思います。

比較すると少しノイジーで、歪も感じられます。このままだとちょっと厳しいので、NFJさんのDCフィルターを入れてみました。2千円もしないですがノイズ対策にはすぐわかるくらい効きます。
ノイジーなACアダプターには強い味方です。仕様的には140Wまでなので300W×2のA07で常用は危険です。(電源電圧28V以下は電流最大5Aまで、35V時は最大4Aまで)

ノイズと歪が改善されました。けどSA300のほうが上です。改造前提なので良しとします。

分解

この手のAMPはパネルのボリュームを外して、背面のネジを外すと後ろに引き抜けます。
分解が簡単なのも改造には大事な要素です。(SA300は分解がとっても大変)

筐体の分解

10mmのナット回しで回します。

基板全景

後ろのM3のキャップボルトを6角レンチで外せば、このように引き抜けます。

中はシンプルで良いです。

オペアンプ部

入力段のオペアンプは定番のNE5532 DIPソケットなのは交換前提ですね。

12V電源部

電源部は、XL7015E1(DC-DCコンバーターIC)で受けて7812で12Vを作っています。
ACアダプターで電圧が変わるのを前提とした設計ですが、ノイズに対してはあまりお勧めできない方式です。
品番やCRの数値が記載してあるのは、改造を前提とした場合非常にありがたい!
回路を追いかけるのがとっても楽です。

ボリューム部

良く改造されている部分です。50kB型は確かにあまり使われないと思いますが・・・
LEDが2個付いていないです。ここは裏から見栄えをよくする照明用ですね。
電源のLEDが見にくいので取りつけちゃうのも手かも!
電流制限抵抗が見えなかったので、抵抗内蔵のLED用かもしれません。電圧は12Vから取っているようです。

パワーアンプ部

出力フィルターのコイルはトロイダルの赤コアみたいです。PVDDの電解コンデンサーは交換するとサイズが問題になりそうです。フィルムコンデンサーはどこのやつか不明でした。
PVDDのパターンはハンダもりもり!パターン間が狭いのが気になります。

TIのリファレンスに近い作りです。

Zobelフィルター

TIのリファレンスと同じ定数です。

DC入力部

100V3Aのショットキーバリアダイオード(SS310)と積層セラミックコンデンサーがついてます。
ダイオードは逆接保護・コンデンサーはノイズ対策

基板背面

多層基板で放熱を狙って作ってあります。

出力の大電力部もハンダをもりもり!ここは銅線で裏打ちしたほうが良さそうです。
基板のパターンもリファレンスを意識した作りです。
銅箔の厚さは18um・35um・70umが主ですが、70umになるとコストが上がるので、多分35umですね。まさか18umではないと思いますが・・・

TIのリファレンスパターン

電流測定

ACアダプターを接続したら火花が少し出ました・・・当然スイッチはOFFです。
気になったので電流を測定してみました。

電源OFF時

33mAも流れています。PVDDはDC入力と直接つながっていたような・・・・
これではアダプター接続時にコンデンサーの突入で火花が出るのは当然です。PVDDのコンデンサーを大きくしてESRを下げると危険かもしれません。

できれば大電流・高電圧のMOSFET+ディレイタイマー切りたいところですが、スペースがないので困りものです・・AC側で切るしかないか・・・
ポップ音対策には有効ですけれども・・・

電源ON時

90mA程度の電流です。小音量で音楽を流しても数ミリ増えるだけでした。
効率90%は伊達じゃないですね。

まとめ

予想していたのと電源回路が異なっていたのは残念でしたが、他の部分は予想通りでしたので、改造に取り掛かります。

ソフトチャンネルデバイダーで苦労しているので、後回しになりそうですが・・・・
あースピーカーもアンプも修理しないでほかってます・・・・

注意事項
改造行為はある程度以上の道具と熟練度が必要ですので、電気やハンダ付けの知識がない人にはお勧めできません。

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当ブログも500記事を超えたので過去記事のまとめを作成します。今回はデジタルアンプ関係になります。数えてみると足かけ2年30記事以上を書かせてもらいました。A07にかけたコストは本体の30倍以上、時間をコストに換算すると100倍くらいになるかもしれません。

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