AIYIMA A07 TPA3255をTPA3245に交換 その2

やっとマウザーからTPA3245が届いたので交換しました。小音量でのクリアーさが向上したので交換してよかったです。TPA3245の仕様などの詳細は、前の記事で確認してください。

作業

作業は準備から音出しまで1時間ほどでした。
途中確認したり写真を撮ったりしていたので、実作業は30分で完了すると思います。

放熱器外し

放熱器を外して、TPA3255を露出させ、放熱グリースをふき取ります。

アルミテープ貼付け

ホットガンで外しますので、周囲の部品が取れないように弱粘着アルミテープで保護します。
ハンダが均一に溶ける&酸化防止のためにフラックスを足前面に塗ります。

ホットガンの温度は330℃に設定しました。

1分ほどの加熱で剥がれました。先曲がりのピンセットを軽く差し込んでおいて、全部溶けると動きます。

ハンダ除去・フラックス除去

綺麗に取れました。パターン上に残っているハンダをハンダごてとハンダ吸取り線で綺麗にします。
その時にショートしている箇所が無いか、ハンダくずなどが無いかを十分に確認します。
その後、IPAとキムワイプでフラックスをふき取って再確認します。

フラックス塗布

綺麗にフラックスを除去した後、ハンダ付けするパターン上にフラックスを再塗布します。

IC位置合わせ

TAP3245をパターン上にのせて、足の位置がずれないよう細かく位置調整をします。
私は仮押さえ用には足曲がりラジオペンチを使っています。重すぎても微調整がしにくいですし、軽いとハンダ付けの時にずれます。

ハンダ付け

対角の2か所を軽くハンダ付けして、足の位置の確認をして問題なければ、ハンダ付けをします。
片側を一気に滑らせるようにハンダを流し込み、その後ハンダ吸取り線で修正する感じです。
フラックスが十分にないとハンダブリッジを起こしますので、注意が必要です。
今回のICはピン間0.65mmですのでまだ楽でした。

ルーペなどでハンダブリッジや足がハンダ付けされているか確認します。
(今回は微妙にずれてしまいましたが、パターン上なのでOKとします・・・)

電源ショートの確認

電源部がショートしていると火を噴きますので、テスターで確認。
一瞬ゼロΩで焦りましたが、コンデンサが完全放電していませんでした・・・・
電源部のショートが無ければ、すぐには火を拭かないと思いますので通電します。

USBテスターで、電流・電圧の確認

いつも使っているUD24で確認

コンセント側 電源ON
待機電流34mAなので大きな問題はなさそう、もう少し低いと思ったのですがTPA3255とあまり変わらず・・・

AIYIMA A07の電源ON
91mA 問題なさそうですので、LINE・SPを接続して音出し
この状態でも電流が低いと思ったのですが、TPA3255と大差ない感じです。

音出しも正常に出ました!
改造すると、電源ON・音出しは緊張します。

ハンダ関連・必要機材

SMDチップやICなどをハンダ付けするのには、以下の機材があると大体のことができます。

ハンダごて・ホットガン
温度調整付きのホットガンであれば、大きな問題はありません。300℃以上まで上がればOK
(ただし加熱しすぎるとICが壊れます)温調の半田ごてが良いです。先が細めの物が使いやすい。
私はAliexpressから購入しました。昔は全込みで6k以下だったのですが・・・

アルミ粘着テープ
ホットガンの熱で他の部品が飛ばないように保護します。
日東のは安いですが固めで強粘着です。私はAliexpressで購入したテープを使っています。

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ピンセット
先が細いピンセットで先曲がりが使いやすい。
細かい部品を使うのにはチタンピンセットがお勧め

ハンダ吸取り線
私はGootをよく使っています。

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ハンダ
鉛フリーのハンダは使いにくいので、環境には悪いですが共晶ハンダを使っています。
0.8mmを使っていますが細かい部品などは0.3-0.5mmのほうが使いやすいです。

フラックス
ハンダごての熱を均一に伝えることと、ハンダの酸化を防ぐために必須です。細かい部品用には注射器タイプが便利

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IPA(イソプロピルアルコール)
フラックスを除去するのに使用します。

放熱用グリース
放熱器とTPA3245との放熱用に使います。

キムワイプ
繊維ゴミが出にくいふき取り用のペーパーです。足が飛び出てるところをゴシゴシすると繊維が飛び散りますので、上から叩いて吸取る感じで使います。

あれば便利

ニードルボトル
IPAを入れて使います。先が細いのでIPAが余計なところに飛び散りません。

導電ブラシ
ハンダかすやごみを払うのに使っています。

ハンダ吸取り器
手動の物を使っていましたが、やはり温調で電動の物は便利です。中華製は今一のようなので日本製がお勧め、手入れが面倒ですが作業効率が全然違います。

ハンダ用耐熱マット
机にダメージを与えないように使用しています。面倒で導電マット上でハンダ付けして、波打っちゃいました・・・

拡大LEDライト
細かいピン間0.5mmの確認や、SMD部品の確認に使っています。
実体顕微鏡(Nikon SMZ-10)もあるのですが、重くて出し入れが面倒なのであまり使っていません・・・
広い作業スペースが欲しい!

視聴

交換してすぐに視聴しました。
ある程度の音量だとあまり変わらないのですが、夜間小音量で聴いたら、歪感やクリアーさが際立ちます。ゲインも3.5dBほど、TAP3255より低いので使いやすいと思います。

仕事中にBGMとして小音量でかけていることが多いので、この改造は大正解でした。

まとめ

TPA3255と同じ音量時に触ってもほとんど熱くなりません。ノーマルのA07に比べると熱くならないので、夏でも安心・・・今は寒いですが・・・

TPA3255のアンプはたくさんあるのですが、TPA3245のアンプはほとんど見ません。
パワーが半分で値段が一緒だと、購買意欲が湧かないからでしょうね・・・

これで、AIYIMA A07の改造はほぼ完了です。
(バランス改造・オペアンプの±電源化は基板が入らないので中止)

次は新しく出たTIのTPA3223で1から基板を起こして作ってみたいと思います。
電源は、USB PD3.1を使うと面白いと思っています。

注意事項
改造行為はある程度以上の道具と熟練度が必要ですので、電気やハンダ付けの知識がない人にはお勧めできません。

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当ブログも500記事を超えたので過去記事のまとめを作成します。今回はデジタルアンプ関係になります。数えてみると足かけ2年30記事以上を書かせてもらいました。A07にかけたコストは本体の30倍以上、時間をコストに換算すると100倍くらいになるかもしれません。

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