デュアルボールクランプは種類によって締め込みの方法が多種ありました。
下のデュアルボールクランプはコイルばねと平ワッシャーで止っており、締め込み時は問題ありませんが、緩めるときは結構な力を入れないと外れません。又、振動で簡単に緩むので改造を行いました。
検討
ばねが圧縮されすぎて中に入り込み、平ワッシャーとの摩擦が大きくなるので緩めにくいのが分かりました。
しかし、摩擦を小さくしてしまうと今度は通常時に振動などで緩んでしまいます。
緩み止めならスプリングワッシャーを入れれば簡単ですが、切れ目が緩めるときに食い込むので、外すときの力はより必要です・・・
いままでスプリングワッシャーと呼んでいましたが、海外では「スプリング ロック ワッシャー」という呼び方が普通みたいです。
そこで切れ目がないスプリングワッシャーを平ワッシャーとの間に入れれば、問題が解決するのではと考えました。
色々探したらありました。
名前が良くわからなかったので、結構探しましたが「ウェーブワッシャー」「ウェーブスプリングワッシャー」というのが正式名称のようです。
Amazonで探してみましたが、お高いのでAliexpressで探して注文します。
今回のワッシャーを測定すると、外径10mmφ・内径はM5のビスが入るサイズでした。
304ステンレスの平ワッシャーも同時購入です。
ウェーブワッシャーの説明
円環状の薄板に波をつけたもので、スペーサー用ばねとして広く利用されています。
静荷重あるいは小さな作動に対して、軸方向荷重(スラスト荷重)を円周で平均して受けるため、小さいスペースの緩衝用として有効です。
バネ鋼製の平座金を複数の波状形状に曲げを施した薄厚の座金となっており、利用目的には、ねじのゆるみ止め、部材間のガタ止め、バネ的な使い方で、同軸上で空間を確保するスペーサー用ばね等として使用されます。
主な実用例
自動車、レンズ固定部品、家電製品、ガス器具、カーオーディオ製品、モーター部品、ベアリング押さえなど
用途
適度な反発力で「ブレ」を抑える
荷重された時の力をクッションとして吸収する
部品がぐらつかないように固定する
304ステンレスにばね性を付与する方法
色々調べたら304ステンレスは、整形して350-400度に熱するとばね性が高まるらしいので、実験用に0.3mmの304ステンレス板も購入してみました。
デュアルボールクランプにウェーブワッシャーを実装
購入したワッシャー関連
以下のようなコイルスプリングと平ワッシャーを、コイルスプリング・平ワッシャー・ウェーブワッシャ・平ワッシャを入れました。
1mmの平ワッシャーとウェーブワッシャを各1枚追加で入れたので、1.3mm必要スペースが増えています。
今回のボールクランプでは問題なく入りました。
デュアルボールクランプ ウェーブワッシャー実装後の実験
締めこむときも途中から重くなり、さらに締めこむと止まりました。
緩めるときも締めこむときと同程度の力で緩みます。
成功です。
又、前までは強く締めこまないと固定できませんでしたが、ある程度締めこむと半固定できるので、細かい調整が楽になりました。
ウェーブワッシャーを3枚入れて、コイルばねを外す
ばね圧が低めで半固定時が緩めだったので、コイルスプリングを抜いて、ウェーブ・平・ウェーブ・平・ウェーブとしてみたところ、1周くらいの余裕ができ半固定の範囲も広がりました。
こちらの方が調整がしやすいので、平ワッシャー2枚とウェーブワッシャー3枚を標準にします。
4関節のデュアルボールクランプにも、ウェーブワッシャーを入れる
気をよくして、購入したが緩すぎる奴にも同じように入れてみました。
こちらは関節が4つあり自重も重めなので、マイク程度でずれてしまいました。
こちらは締め具のところで,M3のビスで固定するタイプになります。
ロングタイプのデュアルボールクランプもしっかり固定できました。
ウェーブワッシャーを追加で入れると、さらに良い感じになりそうです。
使えないかと思ったロングタイプも何とか使えるようになりました。
まとめ
便利に使っていたデュアルボールクランプの不満を解消できました。
Aliexpressであれば、ウェーブワッシャーは送料込みで400円しないで購入できます。
強さも重ねれば倍になるので色々調整可能です。
振動対策にもなるようなので、スピーカーの固定用ワッシャーに入れてみて実験してみようと思います。
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