積層セラミックコンデンサー 特性を調べてみた その1

積層セラミックコンデンサーを調べてみた。ACアダプターの後段や昇圧型の電源の後なら有利なのではないかと思ったため。DCバイアス特性がいろいろな要因で変動する認識が少なかったので比較してみる。

比較 村田製作所 設計支援ソフトウェア”SimSurfing”参照

村田製作所さんのSimSurfingから引用
個々の細かなスペックが分かるので便利に使わせてもらっている。
今回は大きさの差はなかなかわかりにくいので、なるべく容量は合わせて耐圧の差で個々のDCバイアス特性などを調べていく。

高分子コンデンサー 10μF16V ECASD41C106M060K

基本は電解コンデンサーの一種なのでDCバイアスはほぼなし。
ESRは1kHzで100mΩ・100Kで30mΩ・一番低いところで2MHzで10mΩ
電解の仲間ですがESRは非常に低く高周波特性も優れている。

積層セラミックコンデンサー 10μF35V GRM188R6YA106MA73 1608M

0Vで100%で5Vで-60%、12Vだと-85%くらいになっている。
ESRは1kHzで300mΩ・100Kで10mΩ・一番低いところで1MHzで4mΩ

家にあるDE-5000で測定してみた。結構正確な値が出るのでなかなか良い。
測定治具はAliexpressで購入した電池測定用の治具を使っている。

直流バイアスから想定すると、30%程度落ちているので3V近辺での測定電圧だと考えられる。
ESRなどは1kHzで7.4μF/46mΩ・10kHzで6.5μF/51mΩ・100kHzで7.5μF/415mΩ・100Hzで7.4μF/48mΩ・120Hzで8.7μF/44mΩ

積層セラミックコンデンサー 10μF50V GRM31CB31H106KA12 3216M

0Vで100%で5Vで-20%、12Vだと-60%くらいになっている。
ESRは1kHzで40mΩ・100Kで10mΩ・一番低いところで1MHzで4mΩ

ESRなどは1kHzで7μF/44mΩ・10kHzで6.3μF/31mΩ・100kHzで7μF/168mΩ・100Hzで8.6μF/58mΩ・120Hzで8.5μF/61mΩ

積層セラミックコンデンサー 10μF100V GRM32EC72A106KE05 3225M

0Vで100%で5Vで5%・10Vで-10%・20Vで-40%くらいになっている。
インピーダンス特性は1kHzで200mΩ・100Kで3mΩ・一番低いところで500kHzで2mΩ
温度特性などは優秀

薄膜高分子積層コンデンサー PMLCAP 10μF25V 25MU106MD15750 5750M

ルビコンのPMLCAPシリーズ
ESRなどは100kHzになると今一だが、オーディオ帯域では優秀

ESRなどは1kHzで10μF/9mΩ・10kHzで10.1μF/18mΩ・100kHzで13.5μF/168mΩ・100Hzで10.3μF/6mΩ・120Hzで10.4μF/6mΩ

まとめ

オーディオ帯域でのセラミックコンデンサーの特性的はあまり芳しくないが、デジタルノイズやスイッチングノイズ(50kHz-2MHz)の高周波ノイズ減少には、セラミックコンデンサーがよく効くと思う。
ただ、積層セラミックコンデンサーの大容量タイプなどは、電圧によって容量が大きく減少するので考慮が必要
同列の誘電体では耐電圧が大きいほうが容量の減少率は低いという結果で、同じ耐圧・容量であれば外形寸法が大きいほうが容量の減少率は低いという当たり前の結果だった。

データーに付いては村田製作所さんの設計支援ソフトウェア”SimSurfing”を使わせて貰っている。
非常に便利なツールでお勧め

実測はDE-5000の4線ケルビン接続計測で測定、高域での抵抗値の増加は電池測定用治具のせいも多々ありそう。しかし相対値としては比較できるので良しとする。

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