Panasonic医用コンセント 構造比較

オーディオ用に壁コンセントを交換しようと思ったのですが、Panasonicの医用(WN1318K)と普通のコンセント(WN1512K)が3倍も値段が違うので内部を確認してみました。やはり高くても医用のほうが良さそうです。家庭のコンセントって60%以上がPanasonic製みたいで、20-30年以上経っても普通に使えるのは凄いです。

比較したコンセント

両方ともPanasonicのコンセントです。前から見たら同じです。(コンセントの規格は松下電器が基本規格を作りオープンにしたために、のちにJISで定まった経緯があります)

Panasonic 医用コンセント WN1318K

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Panasonic 普通のコンセント WN1512K

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外観比較

左が医用・右が普通のコンセント
マーキングやサイズが異なりますので金型から違うようです。
医療用のほうが少しデブですね。

背面

左が医用・右が普通のコンセント
医用のほうは背面を覆っており、アース線も銅撚線で出力されています。
圧着スリーブで確実に圧着される構造になります。工事は面倒ですが・・・

電源側はL/Nともに1.6-2.0mmの単線直接差込仕様です。
長孔は差込線のリリース用になります。細めのマイナスドライバーを差し込むと差込内の単線がリリースされる仕組みです。

医用は背面が鉄金具で覆われているので、電磁ノイズ・放射ノイズにはやや強いと思います。

側面

上が普通のコンセント・下が医用
プラスチック部の厚みは同等ですが、医用のほうがアース線の分だけ大きくなっています。
医用は厚めの一体金具で周りを覆っていて、爪4本で抑えているので普通のコンセントよりも丈夫だと思われます。

分解

外観はそんなに大きな違いはなかったのですが内部はどうでしょうか?
上側が医用コンセント・下側が普通のコンセントです。
同じ部品も使われていると思ったのですが、ほぼ共通部品がありません。

医用コンセント

・電源コンタクト部の銅の厚みがある
・電源コンタクト部の銅の曲がりを抑えるためリブが入っており、長期的な接触を担保
・電源側のコンタクトの保持用にステンレスばねが入っている
・アースは錫メッキ銅合金板で銅のリベット打ちで背面に接続
・背面のケーブル差込はステンレスばねで保持(L/N)
・工事には圧着スリーブ用 圧着工具が必要
・金具の厚みが1.6mm

普通のコンセント

・電源コンタクト部の銅の厚みが薄めで自分のばね性でコンタクトを保持
・アースは銅合金(真鍮?)でリリースが付いており、工事性は良好
・背面のケーブル差込はステンレスばねで保持(L/N/GND)
・金具の厚みは1.2mm

組立

分解はいつものミネシマヘラで分解しました。
曲げを直すのには、ウオーターポンププライヤ+リードペンチを使いました。

まとめ

Panasonicの医用と普通のコンセントで、どの程度異なるのかを確認してみました。
流石に3倍近い金額のだけはあります。ほとんどの部品が専用部品で、ノイズやコンタクトに関して強固な作りです。医用でJISで仕様が細かく規定されているのでこのようになると思います。

医用は普通のコンセントに比べてオーディオ用に向いていると感じました。
高いと言っても1個1,300円程度で購入できるので、電気工事士をお持ちの方は自分で交換してみるのもよいかと思います。
工事時にコモンモード用トロイダルコアをLNに入れるとノイズの低減も期待できます。
次回以降に記事にしたいと思います。

配線機器を分解するのはお勧めできません。万が一火災などが起こっても自己責任になってしまいます。
壁コンセントをいじる工事は簡単ですが、電気工事士の資格がないと作業してはいけません。
電気工事士は高校生でもとれる簡単な試験(実技がありますが・・・)なので、自分でいじりたい人はチャレンジするのも良いかと思います。

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