スーツケースの修理 その2(ポリカーボネイト ボディ割れ修理)

ポリカーボネート製のボディが何カ所か割れてしまいました。ポリカーボネイトは接着剤で埋める方法だとすぐ割れてしまいますので悩んでいました。いろいろ調べていると、ポリカーボネイトは二酸化メチレンで溶けるようです。
溶かしたポリカーボネイトで補強して修理できれば完璧です!

2024/8追記
分かりにくい部分があったため加筆修正しました。

スーツケース補修をすることになった経緯

空港での荷物取り出し時に割れていてANAさんで修理をしてもらったのですが、その後の2回の旅行で再度ひび割れができてきてしまい、もうこれは自分で修理するしかないと調べてみました。

溶けたポリカーボネイトで補修した場合、強度がどうなるか調べてみましたが不明でしたので、強度実験をして確認後に補修作業したいと思います。

ポリカーボネイト溶剤 初期実験

 まずは、ポリカーボネイトを溶かして、固めた場合の強度を確認します。

 瓶に細かくしたポリカーボネート板をいれ、アクリル接着剤を入れて限界まで溶かします。

  ポリカーボネートを溶かした接着剤を10cm×3cmのポリカーボネート板の端1cmくらいに塗布して、重ね合わせ、乾燥したらねじったり曲げてみます。

これでヒビなどが入れば強度が低下していてだめですが、思いっきり曲げても接着部は剥がれません

これなら、十分に補修できそうです。残念ながら写真を忘れました。

膨張率の検討

膨張率が違うと温度変化によりひび割れしたりしますので、膨張率を確認してみました。

グラスファイバー 線膨張係数(/℃) 5.0×10-6
ポリカーボネイト 線膨張係数(/℃) 6.8×10-5

線膨張係数が8倍くらいの差がありますが、硬いグラスファイバーが基材となって柔らかいポリカーボネイトが覆う形になるので問題ないと判断しました。

スーツケース割れ補修 作業

スーツケース内側のポリカーボネイトとの密着性を上げるために、補修する周囲を紙やすりで荒らします。

割れ部分の周りにグラスファイバーメッシュテープを張り、ポリカーボネイトを溶かした溶剤をテープ全体に塗っていきます。

筆は硬化してしまうので使い捨てにします。接着剤の方がはるかに高いですからね。

乾いたらグラスファイバーテープを上に張り塗り重ねていきます。
仕上がりの柔軟性のためにクロスしていくようにし、乾いたら2回ほど薄く塗り重ねます。

厚く塗ると境目に力が加わって割れやすくなりますので注意!

取っ手部分のビス穴もクラックが入って弱くなっていたので、裏から補強します。

ポリカ溶液を数回薄く塗り重ねていきます。乾いてから塗るを2-3回くらいで十分でした。
穴の部分は十分乾いてから、ドリルで貫通させています。

完成

クラックしたところをグッと押し込んでも、全体にたわんで他の部分と強度の差は感じません。
同じポリカーボネイトで補修したので一体化したようです。
これなら今まで通りに運用しても不安がありません。

長期テストの結果は追記していきたいと思います。

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スーツケース割れ補修 材料

  • ポリカーボネイト板        小1枚
  • アクリル接着剤           1本
  • グラスファイバーメッシュテープ    1巻(使用は2m程度)
  • 溶剤を入れる瓶           1本
  • 400番くらいの紙やすり        1枚
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こちらにもう少し安いメッシュテープがありました。

まとめ

ポリカーボネイトのスーツケースの補修を行いました。
ANAで壊されて補修してもらったのですが、すぐにダメになり色々調べて自分で補修することにしました。
この補修をしてから5年以上たちますが、特に割れたりすることもなく上々の出来だと思っています。
ただ、補修時の匂いはやばいです。できれば有機溶剤用のマスクを用意してからの方が安全です。

2021/3/18追記
有機溶剤を多用するので、防毒マスクを購入しました。苦しくないように2個使うタイプにしています。
有機ガス吸収缶は別売です。
トルエンを使う塗装工程で使ってみましたが、ほとんど匂いを感じません。
息も苦しくないので吸収缶が2個用にしてよかったと思います。

2020/12/9追記
補修した後、5回の旅行などに行ってきましたが、特に問題なくポリカを溶かしても強度があまり落ちないことを確認できました。

2022/3/3追記
修理後、3年ほど経ちましたが特に問題なく割れもありません。
コロナも落ち着いたし出番も増えそうです。

2024/8追記
子供たちの海外旅行に出たりして大活躍でしたが、5年間問題なしはすごいです。
かえって丈夫になったような気がします。
最近プロの方も真似されているようです。私のブログが役に立ってうれしいです。

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