USB PD3.1用トリガー基板 動作確認

AliexpressからUSB PD3.1トリガー基板が届きましたので、確認をして見たいと思います。
PDトリガー(デコイ)基板はUSB PDの電源に電圧信号を送って、PDの電圧を出力することができる基板になります。これを使えば、PD3.1・PPS対応であれば好きな電圧が出せそうです。

購入した機器

今回のキモ・USB PD3.1対応USBトリガー基板

PD3.1対応充電器
やっとPD3.1充電器が出そろってきました。
DC28V/5Aも出ます。家のAIYIMA A07にぴったりです。
初売りで1/3~1/7まで25%OFFでしたので、つい財布のひもが・・・・

ついでに安くなっていたPD3.1対応の通信もできるケーブルも購入

USB3.1用240W電源ケーブル

仕様

毎度のことながら中華製品は説明が不足している場合が多いので注意が必要です。

製品仕様
テスト電圧: 28V
テスト電流: 5A
最大電力: 最大140wをサポート
サイズ: 76*32*10mm

スイッチ設定
0000: プロトコルなし、電圧と電流のみを表示
0001: qc2.0,5v/9v/12v/20v
0010: qc3.0,3v,6-20v
0011: mtk/pe1.1,5v/7v/9v/12v
0100: mtk/pe2.0,5.0/5.5v/6.0v/6.5v .. 20v
0101: fcp 5.0v 9v
0110: scp _ a5v/4.5a
0111: scp A4.5V/5A
1000: scp b5v 5v/9v/10v/10.5v/12v
1001: afc 5v/9v/12v
1010: pd2.0/3.0、5v/9v/12v/15v/20v/28v
1011: pd2.0/3.0 + pps in 1011状態: ショートプレス +/-20mv、ロングプレス +/-1000mv

取扱説明書
1.PD3.1急速充電器 (140wに対応)
2.EPRr急速充電プロトコルPD3.1データケーブル
3.pd3.1トリガーボード(本製品)
4.ツールを準備したら、スイッチ設定に従ってデイップスイッチを設定します
5.デップスイッチの位置は対応するプロトコルになります。
6.PD3.1 28V-5A デコイテスト
7.PD3.1急速充電プロトコル、140Wエージング

動作確認

開封して仕様を確認
左側のUSB-Cが入力側でオス・メスのコネクタでPD電源から入力
右側のUSB-Aが出力になります。
上側が表示で電圧・電流表示
左右のタクトスイッチでUP/DOWN・中央のディップスイッチで内部設定を切り替えます。

表示モードでPD3.1充電器に接続・5.1V/0A

スイッチ設定を1010: pd2.0/3.0、5v/9v/12v/15v/20v/28vに切り替えてみます。
電源投入時5V徐々に上がっていき28Vになりました。タクトスイッチでUP/DOWNします。
途中切り替え時に一瞬PD充電器が電断しました。

裏側にも制御用のICが付いています。

この小さいチップが多分PD3.1の制御です。

設定を1011: pd2.0/3.0 + pps in 1011状態: ショートプレス +/-20mv、ロングプレス +/-1000mv
に変えて16Vを設定できるか確認
PD3.1でPPSが使えると良いのですが、PD3.0までのようで20Vまでとなっています。

出力側の確認

出力ケーブルをつないで、D級パワーアンプ AIYIMA A07に接続

電源を投入すると5Vから徐々に電圧が上がっていき28Vでパワーアンプから音が出ました。
小さめの音量で28V160mA流れました。
思った以上に鮮度がいい音がします。電源変動時の立ち上がりが早い感じです。付属のAC-DCアダプタに比べて素晴らしく良いです。このままでも十分使えます。
しかし、140WPD3.1充電器・240WPDケーブル・PD3.1のトリガー基板を合わせると15k近くですのでコスパはあまり良くないかな・・・・

DC負荷試験機での試験

DCの負荷試験機をつないで28V/5Aまで試験します。
28V/1AはPDトリガーボードやUSB-C内のICチップも温度上昇が全くありません。
なかなか優秀です。

28V/1Aでの試験

28V/5Aでの試験
USB-C・USB-Aのコネクタが少し温かくなりますが人肌程度で、トリガー基板のICなどはほぼ温度上昇がありません。150W近い電力が流れているのに素晴らしいです。
熱くなるのを予想していたのですが意外でした。これなら機器内部に組み込んでも温度上昇はごくわずかで済みそうです。

DC負荷器を150Wで使うのが少し心配でしたが、問題なく排熱されていました。

DC負荷器USBテスタ
中国製のDC150Wの負荷器とUSBテスタはなかなか素晴らしい出来で、値段もあり得ないくらい安いです。円が110円くらいの時で各3.5k程度でした。
両機器ともに色々な試験に使っていますが、故障とかもなく素晴らしい出来です。

オシロで波形確認

この前購入したオシロで波形を確認しました。
接続の仕方が甘いのでノイズが多めに出ますが、それでも50mVp-p以下で通常使用では全く問題なしです。スイッチング周波数は1.25MHzくらいですので、ノイズレベルを落とすのは容易です。

オシロもUSBやLANでつないで制御すれば楽なのですが、いまだに設定していないので機能の1/10も使っていないです。しかし12bitの低ノイズオシロだけはあって、ノイズレベルが低いので観測は簡単で素晴らしいです。

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まとめ

思った以上にノイズレベルも低く、発熱もほとんどないので優秀です。
出始めなので値段は高めですが、こなれてくると安く供給されそうですので期待は高いです。

このノイズレベルだと普通のACアダプタの1/3くらいのレベルですのでオーディオにも使えそうです。
スイッチング周波数がMHzオーダーだと可聴帯域に影響も少ないと思います。

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コメント

  1. 素晴らしい検証です!
    自分もPDを使って荷物を減らそうとしていたので、参考になりました。

    さて、ひとつ質問なのですが、、
    勉強不足ですみませんが、質問させて下さい。

    自分が使ってるノートPCは20V9A(180w)です。
    あからさまに重たいので、PDとトリガーケーブルで運用を考えています。

    現在28V5A(140w)がPDの最大スペックです。
    ですが、Amazonなど、20V7A(140w)の怪しいケーブルがちらほら販売されています。

    この充電器に20V7Aトリガーケーブルを使ったら、取り出せる電流は5Aでしょうか?

    そもそも180wのPCに140w流してちゃんと動くかって話ですが。

    • PCの場合は細かく電流が変化して充電するので、スペック以下だと瞬間的に電流が流れてPDデコイが切れる場合があります。
      この電流はPD側ですので20V5Aの壁は超えられないと思います。