オーディオ用 USB連動電源の制作 その2 失敗原因

前回記事でトランスが盛大に唸ってしまったUSB連動電源の原因を確認しようと、オシロで測定します。やばりAC波形の欠けが原因でバランスが崩れてトランスが唸ったようです。
前回記事:オーディオ用 USB連動電源の制作 その1 制作・視聴 失敗・・・

使用する測定器・治具

オシロスコープ

RIGOL HDO1072 12bitで低ノイズのデジタルオシロ
家では一番高級な測定器になります。

電流プローブ

CP-02B オシロスコープで電流波形を見るために必要なプローブ
良いやつはオシロ本体以上するので、中華の5Hz-10MHz対応のプローブを使っています。直流は見れませんが、まずは十分な性能です。
DCサプレッサーの実験時に使い十分に使えることが分かっています。
関連記事:トランスのうなりを止める DCサプレッサー実験

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AC負荷

今回は1KΩ 60Wのクラッド抵抗を負荷にしました。抵抗負荷以外だと電流波形が乱れるためです。
家に転がっていた放熱器に取付けて端子台で出力しています。100V/10Wの負荷となります。

測定

オシロのプローブと電流プローブを接続して確認していきます。

SSR-OFF時のSSR入力側の波形

黄色が電源波形・青が電流波形です。
やや先端がなまっている以外は電圧波形は問題なしです。
オシロのフィルタを入れていないので、10MHz以上のノイズも見えています。

SSR-ON時のSSR入力側の波形

黄色が電源波形・青が電流波形です。
やや先端がなまっている以外は電圧波形は問題なしです。

SSR-ON時のSSR出力側の波形

黄色が電源波形・青が電流波形です。
電圧は100Vちょっとで約2Vダウンしています。電流波形は変わらず。

しかし、下側の先端が半分ほど欠けています。これがトランスのうなりの原因ですね。
DCバランスが崩れたと考えられます。1V-2VのDCバランスの崩れで盛大に鳴きますからねー。
DCサプレッサーを入れるとしても、1個で1V程度の低下で3個入れなくてはなりません。
すると97V以下になりそうなので、今回はSSRで動かすのは断念します。
無難にリレー制御になりそうです。

まとめ

今回はSSRをゼロクロス(電圧が0Vになった時に切り替えるためノイズが理論上でない)でUSB連動電源を動作させようとしたのがアダになって、遠回りをしてしまいました。
SSRの動作理論をよく考えなくて使おうとしたのが失敗の原因です。

今回で分かったことがあります。
家庭用の半波整流している機器や、サイリスタやトライアックなどで制御している機器(インバータ制御)があると、AC波形が乱れてトランスの唸りにつながるようです。
特に電気式で能力切替がある暖房器具やエアコンなどは、消費電力が多いので元の電源まで影響し、電源のバランスを崩すようでした。
しかし大型家電はいまやほとんどインバータ制御です・・・

AC-DCコンバータであれば、ACを直接整流してDCにして高周波でスイッチしているために、ACの乱れの影響が少ないので、今後のオーディオ電源はAC-DCコンバータが主流に変わっていくような気がしました。

今回は失敗しましたが、次回以降に初期に検討したリレーでの制御で制作していきます。
秋月電子さんからリレーを取り寄せてから次の制作に入ります。

コンセントをいじる工事は簡単ですが、電気工事士の資格がないと作業してはいけません。
電気工事士は高校生でもとれる簡単な試験(実技がありますが・・・)なので、自分でいじりたい人はチャレンジするのも良いかと思います。

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