デジタルマルチテスター MS8229 電池液漏れ修理

デジタルマルチテスターMS8229が安い電池を使っていたせいで、液漏れして端子部が完全腐食・基板にも液漏れ腐食していたので修理しました。今回は基板が清掃・追いハンダだけで治ったのでラッキーです。電池の端子は腐食して折れていたので、銅板で再作成して修理しました。

私が購入した中では高級品だったので治ってラッキーです。
端子はできればステンレスの板ばねを使いたかったのですが、家にあった0.1mmの銅板にて修理しました。銅は柔らかくばね性が乏しいので、2重に曲げて対応しています。接触不良になったら0.1mmのステンレス板で再制作します。

このマルチメーターは面白い作りで、電池と本体基板がばねで接触して接続しています。今回はばね部から腐食していました。ばね部は幸いにもステンレスだったので腐食も最小限で磨きだけで済んだのがラッキーでした。

 MS8229 DMMデジタルマルチメータ

掃除追いハンダは作業に夢中で写真を撮り忘れたので割愛します・・・
掃除後にDC5Vを入力に入れて動作確認をしたところ、大筋動きそうでしたので電池部の修復を行うことにしました。

デジタルマルチメータ MS8229

内部写真

内部は複雑な作りでケーブルも飛び回っています。

マイナス側のばね部はハンダも腐食していました。(修正後の写真です)

仕様

現在も売っているデジタルマルチメーターで、ここまで測定できるかというくらい機能があります。
照度計と音圧計が何気に便利です。

回路図を探し回ったのですが、ネットでは見つけられませんでした。内部の半固定抵抗で校正できるようなので知っている人がいたら教えてください。

MASTECHのオートレンジマルチテスターです。 テスターとしての基本機能(ACV、DCV、DCA、ACA、R等)だけでなく、 環境測定機能(温度、湿度、照度、音圧等)を盛り込んだ超多機能テスターです。
テスターリードの差し間違い防止機能付、測定レンジによって使用する端子が赤く光ります。 テスターリードを差し込むと消灯(挿さないと点灯状態)になります。

■主な仕様
・DCV:400mV/4V/40V/400V/600V
・ACV:400mV/4V/40V/400V/600V
・DCA:400μA/4000μA/40mA/400mA/4A/10A
・ACA:400μA/4000μA/40mA/400mA/4A/10A
・R(Ω):400Ω/4kΩ/40kΩ/400kΩ/4MΩ/40MΩ
・Cap(F):40nF/400nF/4μF/40μF/100μF
・Freq(Hz):10Hz/100Hz/1kHz/10kHz/100kHz/200kHz
・Temp(温度):-20~1000℃
・Humidity(相対湿度):30%~95%
・導通チェック:<50Ω、ブザーによる確認
・音圧:40dB~100dB
・照度:4000Lux/40000Lux
・ヒューズ:400mA/250V、10A/500V
・電源:単4×3本
・その他:バックライト
・寸法:195mm×92mm×55mm

修理

電池端子部メッキ

電池は単4を3本使う仕様で、裏側に接点で下の基板とばねで繋がっています。電池周りは電解液で腐食しまくりです・・・
上下を結んでいる板が曲者で、上から差し込んで裏で曲げているようです。まっすぐにしないと板が取れません。
上の穴から押し込んだら+ーともに折れてしまいました・・・

修理中の写真

幸いにも、中継用の板ばねは腐食していますが、使いまわしが出来そうです。

腐食している部分を1000番くらいの紙やすりで軽く削ります。

下地が出たのと腐食が綺麗にならないので、メッキ工房で研磨・脱脂を行い、ニッケルメッキ→金メッキを行います。メッキ工房は、古い接点などを復活するときにとっても便利です。
接点復活材は1年後くらいに再起不能な状態になるので、私は使いません。

マルイ鍍金工業
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金属磨き・脱脂
脱脂中
ニッケルメッキ完了
金メッキ完了
金メッキ後清掃

見た目は今一ですが、とりあえず接点としては問題ない状態になりました。

+ー端子部の制作

差込部が抜けないように中央部が膨らんで上下で曲げるようになっていますが、面倒なのでそこまでこらず、ストレートに作って接着剤で裏側を止める仕様にします。
板の幅が4.5mmなので4.5mm幅に切り出します。

0.1mm厚の銅板です。普通のハサミでも切れるくらい柔らかいです。

金切りばさみで切ります。

素の銅板なので、錆びないようにニッケルメッキ→金メッキを行います。

左側がニッケルメッキ

金メッキをしました。

端子部のはめ込み

作った端子部を差し込んで90度に曲げます。

曲げる部分の長さを現物合わせで決めて折り返す起点を作ります。柔らかい銅板なので、2重に曲げて弾力を出すようにします。

完成 左上と右下が新しく作った板ばね接点です。

電池投入

動作確認

音圧 上部を叩いて変動は確認しました。

照度・湿度・温度 息を吹き替えての変動を確認

ケーブルをささない点灯確認

AC100Vの確認

抵抗の確認 ショートで1-3Ω出ちゃいます・・・
調整VRで調整したいのですが、回路図とかサービスマニュアルがないと回路を追いかけないといけないので、持っている人がいたら下さい・・・

まとめ

とりあえず問題なく動くようになりましたが、少し抵抗値とが気になるのでサービスマニュアルをもう少し探してみます。
半固定抵抗だけで12個もあるのにはびっくりですが、自分で校正すればいい線まで追い詰められそうです。

しかし、いつの間にかテスター系だけで5個になっちゃいました・・・
照度・湿度・音圧はこのデジタルマルチメーターしか測定できないので、修理できたので満足です。

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